パトロネジ
パトロネジ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/07 02:58 UTC 版)
「ヤン2世 (ポーランド王)」の記事における「パトロネジ」の解説
ヴァーサ家のポーランド王達の美術コレクションは、大洪水時代の1650年代、ワルシャワで乱暴な掠奪行為を働いたスウェーデン人とブランデンブルクのドイツ人によって強奪された。ただし、グイド・レーニ画の「エウロパの掠奪」のような幾つかの美術品はオポーレに隠されて難を逃れている。 このコレクションの重要度を増したのは、ヤン2世によるオランダ絵画の熱心な収集と、ダニエル・シュルツに対する支援である。シュルツはクリミアの将軍でデデシュの息子で、1663年のロシアとの戦争での父の戦功への褒賞としてポーランド王室の鷹匠に取り立てられた人物を描いたことで知られている。国王のコレクションの大部分は、国情が落ち着きを取り戻した1660年代に収集されたもので、アムステルダムでの代理交渉人をヘンドリック・ファン・ユイレンブルフが、後にはその息子ゲーリット・ファン・ユイレンブルフが務め、買い取られていたのは主にオランダ絵画とレンブラントの作品であった。収集対象となった画家の中には、ピーテル・パウル・ルーベンス、ヤーコブ・ヨルダーンス、グイド・レーニ、グエルチーノ、ブリューゲル、ヤコポ・バッサーノなどがいた。 退位した際、ヤン2世は自分が所有する絵画作品の大半をフランスに持っていった。ワルシャワ王城に残されていたコレクションの残りは、大北方戦争の最中に略奪されたり、ザクセン選帝侯でもあった3代後のポーランド王アウグスト2世によって着服されたりした。後者の運命を辿った代表的な作品はレンブラントの「黒いベレー帽を被り髭を生やした男の肖像(ラビの肖像)」(1657年)と「真珠で飾った帽子を被る男の肖像」(1667年)などであり、両者は今日、ドイツ、ザクセン州のドレスデン国立美術館で見ることができる。
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