パケットロスとレイテンシ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 18:30 UTC 版)
「ブロードバンドインターネット接続」の記事における「パケットロスとレイテンシ」の解説
伝送路の一部においてパケット損失(英語版)(パケットロス)が発生すると、伝送路全体でパケット再送が必要となり大きな遅延の原因となる。 質の良い伝送路では中継機器でパケットの溢れる輻輳がパケット損失の原因となる。2022年現在、TCPプロトコルの輻輳制御(英語版)ではパケット損失の検知により輻輳制御するもの(Loss-based方式; CUBIC(英語版)など)が一般的となっており、パケットの集中で起きた遅延の検知により輻輳制御するもの(Delay-based方式; BBRなど)はまだ一部でしか用いられていない。これはBBRが常時軽度のバッファリングを行い遅延を起こす中継機器に弱いためである(改良版のBBRv2は開発中)。しかしながらTCPプロトコルには中継機器の輻輳を通知するECN (明示的輻輳通知(英語版)) という仕組みも存在し、そちらの使用が広まっている。 一方、質の悪い伝送路では伝送路自体がパケット損失の原因となるが、送信データを符号化して前方誤り訂正(FEC)を行ったり(RS符合・ターボ符号・LDPC符合等)、局所的な再送(自動再送要求)を行ったり(VDSL G.fastのDTU、LTE/5G NRのHARQ等)などのパケット損失を防ぐ仕組みが用意されている。 また無線伝送におけるパケット損失の原因にはマルチパス伝播もあるものの、このマルチパス伝播はダイバーシティや直交周波数分割多重方式 (OFDM) で抑えられるようになってきており、またOFDMの位相雑音に弱いという欠点も位相追跡(5G NRのPT-RSなど)で緩和されてきている。 しかしながら2020年時点においても5Gサービスのパケットロス率および遅延は改善の余地のあるものとなっている。
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