パケットフィルタ型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/16 00:48 UTC 版)
「ファイアウォール」の記事における「パケットフィルタ型」の解説
OSI参照モデルにおけるネットワーク層(レイヤ3)やトランスポート層(レイヤ4)に相当するIPからTCP、UDP層の条件(ポリシー)で、通信の許可/不許可を判断するもの。狭義でのファイアウォールとは、このタイプのものを指す。このタイプはさらに、スタティックなものとダイナミックなものとに分類できる。 基本的にはレイヤ3で通信制御を判断するが、フィルタの種類によってはレイヤ4のヘッダも参照する。すなわち、TCP/UDPのセッション単位で管理する訳ではない。ただし、ステートフルパケットインスペクション型ではTCP/UDPセッションの一部も記憶して判断動作する。 スタティックなパケットフィルタ IP通信において、宛先や送信元のIPアドレス、ポート番号などを監視し、あらかじめ設定した条件によって、その通信を受け入れる(ACCEPT)、廃棄する(DROP)、拒否する(REJECT)などの動作で通信を制御する。具体的には、外部から内部へ向かうパケットを選別して特定のサービスのみを通す、また内部から外部へ向かうパケットも、セキュリティホールになりかねないため、代表的なサービス以外は極力遮断する、といった設定が行われることが多い。仕組みが単純なため高速に動作するが、設定に手間がかかる、防ぎきれない攻撃があるなどの問題点がある。 ダイナミックなパケットフィルタ 宛先および送信元のIPアドレスやポート番号などの接続・遮断条件を、IPパケットの内容に応じて動的に変化させて通信制御を行う方式。 スタティックなパケットフィルタで内部と外部で双方向の通信を行う場合は、内部から外部へ向かうパケットと、外部から内部へ向かうパケットの双方を明示的に許可しなければならない。一方、ダイナミックなパケットフィルタでは、内部から外部の通信を許可するだけで、その通信への応答に関してのみ、外部からの通信を受け入れる、といった動作を自動的に行う。 ステートフルパケットインスペクション ステートフルインスペクション(Stateful Packet Inspection、SPI)ともよばれる、ダイナミックなパケットフィルタリングの一種。 レイヤ3のIPパケットが、どのレイヤ4(TCP/UDP)セッションに属するものであるか判断して、正当な手順のTCP/UDPセッションによるものとは判断できないような不正なパケットを拒否する。そのため、TCP/UDPセッションの一部情報を記憶して判断動作する。具体例として、ヘッダのSYNやACKフラグのハンドシェイクの状態などを記憶し、不正に送られてきたSYN/ACKパケットを廃棄する。
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