パウェル砦とゲインズ砦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 05:03 UTC 版)
「モービル湾の海戦」の記事における「パウェル砦とゲインズ砦」の解説
南軍艦隊の抵抗が無くなったので、ファラガットは砦に注意を戻すことができた。装甲艦チカソーを送ってパウェルに数発の砲弾を放たせ、続いてゲインズ砦に向かった陸軍の支援に向かわせた。どちらの砦も大した損失も損傷もなかったが、砲撃はそれらが後方から攻撃されたときに弱いことを明らかにするには十分だった。 パウェル砦ではウィリアムズ中佐がペイジ准将に指示を求めていた。ペイジの回答は曖昧なものであり気概のある部隊を扱うものであれば正当化されたかもしれないが、パウェル砦の兵士のように士気の落ちた部隊に発せられたときは悲惨なものだった。その命令は「もはや耐えられなくなれば守備兵を救え。できる限り長く死守しろ」となっていた。ウィリアムズ中佐は抵抗しても無益だと確信したので、大砲を釘止めにし、弾薬庫を爆破させた。ウィリアムズと守備兵は水中を歩いて本土に渡り、モービル市に向かった。 ゲインズ砦のアンダーソン大佐はすこし長く持ち堪えたが、より恐ろしい敵に直面することになった。グレンジャー隊の勢力は遙かに上回っており、守備隊の誰が見ても対抗できないものだった。北軍兵は砦まで十分近い所まで大砲を運んできており、しかもドーフィン島の砂丘の陰に隠れて自部隊は攻撃され難い位置にあった。ファラガットの艦隊が湾に入ってきた時に発砲した敵の大砲2門を手に入れ、それを反対に向かせることもできた。 北軍が砦を占領した後で、これを検査した工兵士官の判断では、「我々の(海陸の)攻撃に対して全く弱く効果的でない。その前面、側面、後面全てを相手にしなければならない。」としていた。事態が絶望的だと判断したアンダーソン大佐は休戦の旗の下に、グレンジャーやファラガットとの交渉を始めた。ペイジからは降伏することを禁じる命令を受けていたが、これを無視し、最終的に指揮官から降りて、8月8日に砦共々降伏した。
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