バルブ保護のための有鉛ガソリン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/18 03:39 UTC 版)
「ポペットバルブ」の記事における「バルブ保護のための有鉛ガソリン」の解説
初期のガソリンエンジンでは現在よりも冶金技術が稚拙だったこともあり、ポペットバルブの摩耗は大きな問題として取り扱われた。バルブの潤滑に関する問題は蒸気機関時代の1866年に物理学者のジョン・エリスの手により鉱物油が開発され、バルボリンが「バルブ・オイル」として開発したことで解決していたが、バルブガイドとバルブシートの摩耗については約2年に一回程度の割合で、後述のバルブメンテナンスを専門技術者が行わなければならず、車両のオーナーは多大な労力と出費を払わなければならなかった。しかし、燃料にテトラエチル鉛を加えることで鉛成分がバルブシートやバルブガイドを覆い、摩耗を大幅に減少することが明らかとなり、有鉛ガソリンとして幅広く用いられるようになった。 有鉛ガソリンは1970年代頃までは市販ガソリンの主流であったが、有毒なテトラエチル鉛が環境対策で規制され始めたことや、ステライトやリン青銅などの耐摩耗性が非常に大きい合金が実用化されると、有鉛燃料は不要となり、次第に姿を消していった。 ガソリン無鉛化の過渡期には、それまでの有鉛ガソリン仕様のエンジンについてはバルブシートやバルブガイドを対策部品に交換したり、新車でも走行状況に応じて高速有鉛などの表記が行われた車両が存在するなどしていた。現在でもまだ無鉛化対策を行っていない車両用に、ガソリンスタンドには有鉛ガソリン車向けの燃料添加剤が販売されている事もある。
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