バルゴンの美術・造形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/03 06:51 UTC 版)
「大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン」の記事における「バルゴンの美術・造形」の解説
ぬいぐるみは高山良策によって造型され、エキスプロダクションが細部の仕上げを行った。バルゴンのまぶたは横方向に開くが、これは当時の撮影所所長をモデルにしたものだった。湯浅によると、この所長は実際にそういうイメージの顔をしていたそうである。また、バルゴンの頭が大きいのは人間体型を可能な限り隠すためで、撮影では足元を写さないよう気をつけたという。湯浅は、「バルゴンは見栄えよりも動きを優先させて作った」とコメントしている。 高山良策の怪獣造形は「動きやすさ」を重視して作られ、非常に軽いぶん傷みやすかった。撮影でも痛みが激しく、連日補修が欠かせなかったという。ラストの琵琶湖に沈むシーンではぬいぐるみがなかなか沈まず、ハサミで腹を切り裂いて水を入れ、最後はほぼ頭だけの状態にしてようやく目的を達した。これには見学に来ていた子供たちも大笑いしたという。 ぬいぐるみと同サイズの、垂れ目気味かつ上半身だけで舌が伸びるギミック入りのギニョールも、高山によって作られた。舌を伸ばす仕掛けは、3人がかりで行うものだった。長い舌を伸ばしての冷凍液の噴霧には消火器が使われたが、舌を長く伸ばすのは、噴霧を拡散させて遠方まで冷凍液を飛ばしているように見せるためだった。 3尺サイズのギニョール人形も、同サイズのガメラと併せて琵琶湖セットでの撮影に使用された。卵から生まれる幼体のバルゴンはギニョール人形を使い、下から手を入れて動かしている。ギニョール制作はエキスプロ。孵化シーンで漂う煙にはたばこが、幼体バルゴンを覆うねばねばした粘液にはアメリカ製の特注素材がそれぞれ使われている。このバルゴンの孵化シーンは、湯浅が「本作で最も気に入っているシーン」だそうである。
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