バチカン譴責とその対応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/13 14:20 UTC 版)
「エンダ・ケニー」の記事における「バチカン譴責とその対応」の解説
2011年7月13日、ローマ・カトリック教区クロインの19人の司祭による児童虐待疑惑についての調査を詳述した「クロイン報告書」が発表された。報告書の調査結果の中には、教区で行われた疑惑の大部分が、教会の1996年のガイドラインで要求されているようにアイルランド警察に報告されていなかったこと、教区のジョン・マギー司教らが政府の調査への全面的な協力を保留し、疑惑に対する自身の対応を意図的に虚偽表示していたこと、バチカン自身が調査への協力を拒否し、1996年のガイドラインは拘束力がないと教区に助言していたことが明らかにされている。 2011年7月20日、ケニーはスキャンダルにおけるバチカンの役割を非難し、調査を妨害した教会の役割はアイルランドの主権に対する重大な侵害であり、スキャンダルは「今日に至るまでバチカンの文化を支配している機能不全、断絶、エリート主義」であることを明らかにしたと述べた。また、「アイルランドにおける教会と国家の間の歴史的な関係は、再び同じものになることはありえない」と付け加えた。 ケニーのバチカンに対する攻撃は、アイルランドの高官による前例のないものだった。デイリー・メール紙は、「アイルランドの17年間に及ぶ小児性愛者の聖職者スキャンダルの間、アイルランドの議会が地元の教会指導者ではなくバチカンを公然と非難したのは初めてのこと」とコメントし、この演説は非凡なものと広く評価された。ガーディアン紙は、「政治層は(中略)かつての全能のローマ・カトリック教会への恐怖心を失っている」と指摘している。 9月3日には、ケニーの演説に対して聖座は、「ケニーが何も立証しようとしなかった主権を持つ民主的な共和国での審問を30年前ではなく、わずか3年前に『挫折させようとした』という非難は、根拠のないものである」と指摘している。実際に政府の広報担当者は質問されると、ケニーは特定の事件に言及していないことを明らかにした。これらの報告書には、教皇庁がアイルランド国家の内政に関与したことを示唆する証拠は一切含まれておらず、また性的虐待の問題に関してアイルランドの教区や修道会の日々の管理に関与したことを示唆する証拠も含まれていない」と付け加えている。 ベネディクト16世の引用について、教義修道会が1990年5月24日に発行した「神学者の教会的職業に関する訓令」(別称「Donum Veritatis(真実の贈り物)」)から引用されたものであり、当時の修道会の総監兼書記が署名したものであることに留意している。したがって、当時のベネディクト16世の私的な文章ではなく、信徒会の公式文書である。
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