ノキシノブとは? わかりやすく解説

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ノキシノブ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/29 09:29 UTC 版)

ノキシノブ
Lepisorus thunbergiana
(2007年1月27日、和歌山県白浜町
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 維管束植物 Tracheophyta
: シダ植物門 Pteridophyta
: ウラボシ綱 Polypodiopsida
: ウラボシ目 Polypodiales
: ウラボシ科 Polypodiaceae
亜科 : アヤメシダ亜科 Microsoroideae
: ノキシノブ属 Lepisorus
: ノキシノブ L. thunbergianus
学名
Lepisorus thunbergianus
(Kaulf.) Ching[1]
シノニム
  • Pleopeltis thunbergiana Kaulf.
英名
weeping fern

ノキシノブ(軒忍、学名Lepisorus thunbergianus)は、ウラボシ科ノキシノブ属に属するシダの一。また、ノキシノブ属の総称としても使われる。

和名は、下などにも生え、シノブのように着生することから。

形態・生態

は短くて横に這い、表面には一面に鱗片があり、多数の細かいを出して樹皮などに着生する(着生植物)。

は茎から出て、全体に細長い単葉で、一般のシダの葉とは大きく異なる。形はヤナギの葉のような線形に近い楕円形。先端は細まり、少しとがる。基部は次第に細くなり、少しだけ葉柄が見られ、葉柄の部分は黒っぽくなって少し鱗片がある。葉は少し肉厚で、黄緑色、表面につやがない。乾燥した時には、葉は左右から裏側に向けて丸まる。

胞子嚢円形の集団となって葉裏にある。葉裏の主脈の両側にそれぞれ一列に並ぶ。丸く盛り上がって、葉からこぼれそうになることもある。

分布

北海道南部以南の日本全土、朝鮮南部、中国インドシナからフィリピンまで分布する。

日本では低山帯の山林から人里までの樹木の上などに着生する。都市部でもちょっとした緑地には出現し、庭木石灯籠などにも見られることがよくある。

人間との関わり

庭木や石垣などに着いたものは風流と捉えられることが多い反面、ほとんどの場合勝手に生えてくるので、積極的に栽培されるということもない。ただし、まれに葉に深い鋸歯状の突出が出る変異株があり、そのようなものは山野草の分野では珍重され、鉢植えとしての利用価値を見出される。

ノキシノブ属

ノキシノブ属(ノキシノブぞく、学名Lepisorus)は、ウラボシ科の一つ。アジア熱帯から温帯に約50[2]、日本には10種ばかり[3]知られているが、皆全体の姿はよく似ている。正確な同定には鱗片の様子などを見なければならない。

  • ホテイシダ Lepisorus annuifrons (Makino) Ching
  • ヒメノキシノブ Lepisorus onoei (Fr. et Sav.) Ching - 普通はやや小型で、根茎は長く横に這う。また、葉先が丸いのが特徴。北海道南部から九州まで、山林内の樹木などに見られる。
  • ノキシノブ Lepisorus thunbergianus (Kaulf.) Ching
  • ツクシノキシノブ(オナガウラボシ) Lepisorus tosaensis (Makino) - 葉は幅が広く、胞子嚢群が中肋寄りに着く。紀伊半島から四国九州に分布し、山林内の渓流周辺に出る。
  • コウラボシ Lepisorus uchiyamae (Makino) H. Ito
  • ミヤマノキシノブ Lepisorus ueeuriensis (Regel et Maack) Ching var. distans (Makino) Tagawa - やや大型で長い葉をもつ。南千島から九州にかけての山地に生育する。
  • ナガオノキシノブ Lepisorus angustatus Ching
  • ミカワノキシノブ Lepisorus mikawanus Kurata
  • ヒロハノキシノブ Lepisorus suboligolepidus Ching
    以上の3種はノキシノブに含まれるとも考えられているが、判断が分かれるところである。

脚注

  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Lepisorus thunbergianus (Kaulf.) Ching”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2011年5月4日閲覧。
  2. ^ "Lepisorus". National Center for Biotechnology Information(NCBI) (英語). (英語)
  3. ^ 米倉浩司; 梶田忠 (2003-). “BG Plants簡易検索結果表示”. 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList). 千葉大学. 2014年2月4日閲覧。

参考文献

関連項目

外部リンク



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