ナロネ20形
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1958年(昭和33年)に3両のみ製造された1人・2人用1等個室寝台車。区分室のみで構成されており、定員は18名。 1人用個室「ルーメット」 1,960 mm×1,046 mmの個室が車体前位側に5室ずつ中央の通路を挟み、10室が区画された。室内には幅900 mm程の1人用ソファがあり、背ズリ部分が壁ごと手前に倒れて寝台となる構造。さらに補助席・収納式洗面台・電気カミソリ用コンセントを装備する。 2人用個室「コンパートメント」 マロネ40の2人用個室設計を元にした、1,960 mm×1,046 mmの個室を後位側に4室設置する。東海道本線基準の山側に通路を持ち、室内は枕木方向に長いソファの背ズリ部分が倒れて下段寝台となり、壁面に折りたたまれた上段寝台が引き出されて2段ベッドとなる。壁面にはテーブル兼用の洗面台と中に水差しを備えた鏡台を装備する。車端側の2室は4人個室としての利用も想定し、間仕切りが開放できる構造を採用した。 それぞれの個室両端に洋式トイレを1室ずつ計2室のほか、荷物保管室・給仕室を設置するなど本系列の代名詞である「走るホテル」の名を具現化した豪華車両でもある。また本形式は1次車3両が製造されたのみであるが、日本車輌製造の1・2と日立製作所製造の51とでは窓配置が異なるほかに車内デザインに差異が存在する。 1人用個室通路の照明配置 1・2は千鳥配置。51は天井中央に配置。 2人用個室通路の照明配置 1・2は通路端配置。51は中央に配置。 個室内装 1・2は木目調でシート地は緑色。51はクリーム色の壁材でシート地はオレンジ色。 新製時から1975年3月10日国鉄ダイヤ改正で運用を終了するまで終始「あさかぜ」専用で、品川客車区に配置された。1976年(昭和51年)に全車廃車され形式消滅となった。
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