ナショナル航空買収の失敗
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 03:08 UTC 版)
「パンアメリカン航空」の記事における「ナショナル航空買収の失敗」の解説
しかし、東海岸地域の路線を主に運航する中堅航空会社だったナショナル航空の国内線路線網は、ユナイテッド航空やイースタン航空、アメリカン航空などの大手に比べ脆弱であったことや、両社の運航機材の多くが別々のものであったこと(たとえば、パンアメリカン航空はボーイング747に次ぐワイドボディ機としてロッキード L-1011 トライスターを運航していたものの、ナショナル航空は同規模の大きさを持つマクドネル・ダグラスDC-10を運航していた。さらに短距離型の-10型であった)などから、整備や運航支援システムのみならず、運行および客室乗務員の訓練への投資が必要となった。 また、ナショナル航空が乗り入れていた空港カウンターのパンアメリカン航空への改修や、機材や地上機材の再塗装、乗務員の制服の統一と再訓練、予約システムの統合などにも多額の投資を必要とした。 さらにアメリカの中規模の国内航空会社と同程度であったナショナル航空の従業員の賃金形態や福利厚生を、「業界随一」とまで言われた高賃金であったパンアメリカン航空に合わせる等、結果的にナショナル航空の吸収合併による収益の拡大も期待したほど得られないばかりか、経営合理化による収支の改善効果はほとんど得ることもなく、結果的にパンアメリカン航空の経営状況を決定的に悪化させる結果となった。
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