ドナウヴェルトの集落地理学上の状況
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「ドナウヴェルト」の記事における「ドナウヴェルトの集落地理学上の状況」の解説
集落地理学の見地から見るとドナウヴェルトは分断された形の都市である。旧市街はヴェルニッツ川とシェレンベルク(丘陵)との間に押し込まれた形で位置している。このため旧市街が引き続き拡大して行く可能性は、自然条件上わずかでしかなかった。そこで、市街地はもっぱら北へ、ベルガー・フォアシュタット(フォアシュタットは旧市街の市門の外側に形成された衛星都市)を経由して伸びって行ったのだが、ここから北はベルク区として分離されている。南はヴェルニッツ川の分流であるクライナー・ヴェルニッツ(小ヴェルニッツ)を挟んでリーダー・フォアシュタット(一般には単に「リート」と呼ばれる)が旧市街と向かい合う。さらに南のヴェルニッツ川本流の対岸には(つまり、リートはヴェルニッツ川の中州にあたる)、バーンホーフスフォアシュタット(駅前の衛星都市)が位置している。しかし、この市街区は鉄道路線によりはっきりと境界がひかれている。旧市街の東側には、ツィルゲスハイマー・フォアシュタットというわずかばかりの市街区が続く。この市街区はドナウ川とシェレンベルクとの間に押し込まれるように存在している。旧市街の南東端のすぐ南側でヴェルニッツ川とドナウ川が合流する。この南側は、旧市街の西側同様、単に川を隔てていると言うだけでなく、この川の氾濫原となる住むには適さない地域である。この結果、西側にほとんど居住者がおらず、南もアウクスブルク街道沿いにわずかに住居があるだけで、中核市区はここで終わっている。こうした地理的な条件によりドナウヴェルトはその各方面に均等に発展して行くという過程を採ることができなかった。やがて居住地は氾濫とは無縁な地区に移っていった。バーンホーフスフォアシュタット西側の、線路の北側にノイデック地区、南側にラムベルク地区が形成された。そのさらに南にはリートリンゲン区が設けられ、市内の重要な住宅地区に発展していった。 市街区が狭く発展の余地がないことから、新たに開発された居住区がパルクシュタットである。パルクシュタットはジュラ台地(シェレンベルク)の裏に造られた住宅地で、第二次世界大戦後に造成されて以後、ドナウヴェルト市の人口のかなりの部分をこの地区が担っている。パルクシュタットは南北に細長い形をしており、幅は500mほどだが、長さは2km以上ある。 パルクシュタットの南東に接してアルフレート・デルプ・カゼルネ(兵舎または官舎)があり、その周辺にあたるシェレンベルクの南斜面のドクトル・レッフェラート通り沿いに住宅地がある。 この他の市区については、他の多くの都市と同様、これまで述べた市区構造とは空間的に隔たって位置している。 こうした都市構造の分裂状態は、しかし、この都市の外観に顕著で魅力的な眺めを与えてもいる。 聖十字架教会が中核市区から西へ登った高台にある。トロイヒトリンゲン方面からやって来る鉄道客らは、数km先からこの教会の西のファサードを眺めることができる。このため聖十字架教会はこの町を特徴づける建築として印象づけられるのである。 旧市街が海抜約410mであるのに対して、パルクシュタットは海抜約500mに位置している。パルクシュタットは市の西側からもよく見える。とくにドクトル・ミヒャエル・ザマー・リング沿いの高い建物がパルクシュタットを特徴づけている。特に南からやって来た場合、パルクシュタットをドナウヴェルトの場所を示す指標となる。アウクスブルク方面から来てジュラ高地が見えたとたんにパルクシュタットの建物が目にはいるからである。
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