トーマス=フェルミ近似とは? わかりやすく解説

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トーマス=フェルミ近似

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/14 15:09 UTC 版)

グロス=ピタエフスキー方程式」の記事における「トーマス=フェルミ近似」の解説

ボソン気体系の粒子数が非常に大き場合ハミルトニアンボソン相互作用項寄与ボソン運動エネルギー項よりはるかに大きくなる。従って、粒子数が充分大き場合には運動エネルギー項無視することができる。(全体対し寄与小さい)運動エネルギー項ハミルトニアンから落とす近似をトーマス=フェルミ近似という。トーマス=フェルミ近似の下で、グロス=ピタエフスキー方程式の解は厳密に求めることができ、以下のようになる。 ψ ( x ) = { μ − V ( x ) N g ( μ − V ( x ) g ≥ 0 ) 0 o t h e r w i s e {\displaystyle \psi (x)={\begin{cases}{\sqrt {\frac {\mu -V(x)}{Ng}}}&\left({\frac {\mu -V(x)}{g}}\geq 0\right)\\0&\mathrm {otherwise} \end{cases}}}

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トーマス=フェルミ近似

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 13:52 UTC 版)

ボース気体」の記事における「トーマス=フェルミ近似」の解説

トーマス=フェルミ模型」も参照 理想ボース気体熱力学は、グランドカノニカル分布によって計算されるボース気体グランドカノニカル分布関数次のように与えられる。 Z ( z , β , V ) = ∏ i ( 1 − z e − β ϵ i ) − g i {\displaystyle {\mathcal {Z}}(z,\beta ,V)=\prod _{i}\left(1-ze^{-\beta \epsilon _{i}}\right)^{-g_{i}}} この積のそれぞれの項は、固有のエネルギー εi に相当するgiエネルギー εi を持つ状態の数、z は絶対活量(またはフガシティー)で、化学ポテンシャル μ を用いて次のように定義される。 z ( β , μ ) = e β μ {\displaystyle z(\beta ,\mu )=e^{\beta \mu }} β は次のように定義される。 β = 1 k T {\displaystyle \beta ={\frac {1}{kT}}} ここで k はボルツマン定数、T は温度である。全ての熱力学的な量はグランドカノニカル分布関数から導出されるため、全ての熱力学的な量は3つの変数 z、β(または T )、V のみの関数として考えることができる。全ての偏微分係数は、3つの変数のうち1つ変数とし、残り2つ定数とすることで求められる。ここで次のように定義される無次元グランドポテンシャルを扱うと便利である。 Ω = − ln( Z ) = ∑ i g i ln ⁡ ( 1 − z e − β ϵ i ) . {\displaystyle \Omega =-\ln({\mathcal {Z}})=\sum _{i}g_{i}\ln \left(1-ze^{-\beta \epsilon _{i}}\right).} 平均エネルギー準位間のエネルギー差と比べて大きいと仮定するトーマス=フェルミ近似を適用すると、上記の和は積分置き換えられる。 Ω ≈ ∫ 0 ∞ ln ⁡ ( 1 − z e − β E ) d g . {\displaystyle \Omega \approx \int _{0}^{\infty }\ln \left(1-ze^{-\beta E}\right)\,dg.} 縮退度 dg一般的な公式によって多く異な状況表現するd g = 1 Γ ( α ) E α − 1 E c α   d E {\displaystyle dg={\frac {1}{\Gamma (\alpha )}}\,{\frac {E^{\,\alpha -1}}{E_{c}^{\alpha }}}~dE} ここで α は定数Ec臨界エネルギー、Γ はガンマ関数である。たとえば箱の中の質量を持つボース気体では α = 3/2 で、臨界エネルギー次のように与えられる。 1 ( β E c ) α = V f Λ 3 {\displaystyle {\frac {1}{(\beta E_{c})^{\alpha }}}={\frac {Vf}{\Lambda ^{3}}}} ここで Λ は熱的波長である。調和トラップ中の質量を持つボース気体では α = 3 で、臨界エネルギー次のように与えられる。 1 ( β E c ) α = f ( ℏ ω β ) 3 {\displaystyle {\frac {1}{(\beta E_{c})^{\alpha }}}={\frac {f}{(\hbar \omega \beta )^{3}}}} ここで V(r) = mω2r2 / 2 は調和ポテンシャルである。Ec体積だけの関数である。 このグランドポテンシャル方程式は、項別に積分関数テイラー級数積分することにより、 または Li1(zexp(−βE)) のメリン変換比例するとすることにより解くことができる。ここで Lis(x)多重対数関数である。解は次のように与えられる。 Ω ≈ − Li α + 1 ( z ) ( β E c ) α {\displaystyle \Omega \approx -{\frac {{\textrm {Li}}_{\alpha +1}(z)}{\left(\beta E_{c}\right)^{\alpha }}}} このボース気体における連続体近似問題点は、基底状態実質的に無視されることで、ゼロエネルギーで縮退度ゼロになることである。この問題点ボース=アインシュタイン凝縮を扱うときには重大で、次章で扱う。

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