状態の縮退におけるトーマス=フェルミ近似
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/08/19 09:43 UTC 版)
「箱の中の気体」の記事における「状態の縮退におけるトーマス=フェルミ近似」の解説
詳細は「トーマス=フェルミ模型」を参照 無限の深さを持つ3次元井戸型ポテンシャルでは、粒子に質量がある場合とない場合どちらにおいても、量子数の組[nx, ny, nz]によって粒子の状態の一覧表を作ることができる。 運動量の大きさは次のように与えられる。 p = h 2 L n x 2 + n y 2 + n z 2 n x , n y , n z = 1 , 2 , 3 , … {\displaystyle p={\frac {h}{2L}}{\sqrt {n_{x}^{2}+n_{y}^{2}+n_{z}^{2}}}\qquad \qquad n_{x},n_{y},n_{z}=1,2,3,\ldots } n = n x 2 + n y 2 + n z 2 = 2 L p h {\displaystyle n={\sqrt {n_{x}^{2}+n_{y}^{2}+n_{z}^{2}}}={\frac {2Lp}{h}}} g = ( f 8 ) 4 3 π n 3 = 4 π f 3 ( L p h ) 3 {\displaystyle g=\left({\frac {f}{8}}\right){\frac {4}{3}}\pi n^{3}={\frac {4\pi f}{3}}\left({\frac {Lp}{h}}\right)^{3}} d g = π 2 f n 2 d n = 4 π f V h 3 p 2 d p {\displaystyle dg={\frac {\pi }{2}}~fn^{2}\,dn={\frac {4\pi fV}{h^{3}}}~p^{2}\,dp} ここでV=L3 は箱の体積である。 このような連続体近似を用いると、ni =1の基底状態を含む低エネルギー状態の特徴を描写できなくなることに注意しなければならない。 このことは多くの場合では問題にはならないが、ボース=アインシュタイン凝縮を考える際は、気体の大半が基底状態または基底状態付近にあり、低エネルギー状態を扱えるかどうかが重要となる。 連続体近似を用いないと、エネルギーεi の粒子の数は、次のように与えられる。 N i = g i Φ ( ϵ i ) {\displaystyle N_{i}={\frac {g_{i}}{\Phi (\epsilon _{i})}}} g i {\displaystyle g_{i}} , 状態iの縮退度 Φ ( ϵ i ) = { e β ( ϵ i − μ ) , マ ク ス ウ ェ ル = ボ ル ツ マ ン 統 計 に 従 う 粒 子 e β ( ϵ i − μ ) − 1 , ボ ー ス = ア イ ン シ ュ タ イ ン 統 計 に 従 う 粒 子 e β ( ϵ i − μ ) + 1 , フ ェ ル ミ = デ ィ ラ ッ ク 統 計 に 従 う 粒 子 {\displaystyle \Phi (\epsilon _{i})={\begin{cases}e^{\beta (\epsilon _{i}-\mu )},&{\mbox{マ ク ス ウ ェ ル = ボ ル ツ マ ン 統 計 に 従 う 粒 子 }}\\e^{\beta (\epsilon _{i}-\mu )}-1,&{\mbox{ボ ー ス = ア イ ン シ ュ タ イ ン 統 計 に 従 う 粒 子 }}\\e^{\beta (\epsilon _{i}-\mu )}+1,&{\mbox{フ ェ ル ミ = デ ィ ラ ッ ク 統 計 に 従 う 粒 子 }}\\\end{cases}}} ここでβ = 1/kT , ボルツマン定数 k, 温度 T, 化学ポテンシャル μ . (マクスウェル=ボルツマン統計, ボース=アインシュタイン統計, フェルミ=ディラック統計を参照) d N E = d g E Φ ( E ) {\displaystyle dN_{E}={\frac {dg_{E}}{\Phi (E)}}} ここで d g E {\displaystyle dg_{E}} はE からE+dE のエネルギーを持つ状態数である。
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