デビューウィンと使用禁止騒動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 03:49 UTC 版)
「ブラバム・BT46」の記事における「デビューウィンと使用禁止騒動」の解説
BT46Bの開発は秘密主義で進められた。バロッコのアルファ・ロメオ社有コースでテストを行い、合同テストに参加した際には、ピットに停車するとファンにゴミ入れの蓋を被せて内部を覗かれないようガードした。デビュー戦の第8戦スウェーデンGPでは好奇と批難の目線を浴び、ライバルチームを刺激しないよう、練習走行ではあえて燃料フルタンクにハードタイヤを履いて走行した。 予選はポールポジションのマリオ・アンドレッティ(ロータス)に続き、BT46Bに乗るジョン・ワトソンとニキ・ラウダが2位・3位に付けた。決勝はアンドレッティのロータス・79とラウダのBT46B(ウイングカー対ファンカー)のマッチレースとなった。ラウダは39周目にアンドレッティを追い抜き、ロータスがエンジンブローした後は独走態勢に持ち込み、2位リカルド・パトレーゼに34秒差をつけて優勝した。ワトソンはスロットルの故障によりリタイアしたが、マシンの性能的にはワン・ツー体制でのデビューウィンも可能だった。 レース後、ロータス、ティレル、マクラーレン、ウィリアムズ、サーティースらは「ファンから埃や小石を撒き散らすので、後続車に危険を与える」とCSIに抗議した。2日後、CSIの派遣団がブラバムのファクトリーで検分を行い、改めて合法であると認めた。しかし、その2日後、F1コンストラクター協会 (FOCA) の緊急会議で妥協案が採決され、抗議を撤回する代わりにブラバムは第11戦ドイツGP以降BT46Bを出走させないことが決まった。抗議派の中心だったロータス代表のコーリン・チャップマンは、「ならば我々はサイドポッドにふたつファンを取り付けるぞ」とエクレストンを恫喝したという。さらに翌日、パリで行われたCSIの会議において、BT46Bは違法ではないものの「安全上の見地から」即刻使用禁止とする裁定が下された。スウェーデンGPの優勝は公認されたが、BT46Bは出場1戦1勝(勝率100%)というリザルトを残して選手権から排除された。 マレーはすでに新型ファン・カーBT47のデザインに取り掛かっていたが、この処分により計画中止となった。
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