ソ連のシベリア、サハリン、沿海州、千島などに分布しています。北海道で小規模ながら造林が試みられたことがあります。日本に輸入されてくるソ連カラマツは、天然生で、年輪の幅が非常にせまく、人工造林の日本カラマツを見馴れた眼でみると、同類の木材とはみえない位です。冬、シベリアの空を飛ぶと、下界に何時までも続くように広がっている茶色のものが白銀の中にみえますがこれがソ連カラマツでしょう。 ■木材 心材の色は日本のカラマツとは違って、やや、黄色を帯びた褐色なので、両者の違いがわかります。辺材は淡黄白色です。気乾比重は0.52~0.68(平均値)~0.91で、人工造林の日本のカラマツより比重は高く、重硬です。また保存性は中庸です。軸方向細胞間道(樹脂道)があり、製品の材面に“やに”が滲み出てきます。また、日本のカラマツに比較して、やに壷、入皮、もめなどの欠点が多く出てきます。(これらの欠点は生育環境が厳しいために発生するのでしょう。)これらの欠点のためか、あるいは、年輪幅が極端にせまいことが多いためか、木材が脆くなっていて、使用中に破損する例を聞きます。カラマツを用いる地域では、その代替としてよく用いられます。人工造林のカラマツに比較すると、比重が高いにもかかわらず、狂いは少ないとされており、その点が好まれて用いられるのでしょう。しかし、上述したような種々の欠点があり、利用上では短所となっています。 ■用途 建築、土台、仮設、土木など材面の美しさを必要としない用途が主です。 |