スラップ批判
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 12:36 UTC 版)
NPO法人POSSEの今野晴貴代表が、『ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪』(文春新書、文藝春秋)で「一部のファストファッション企業」の労務体勢を社名を伏せて指摘したところ、ユニクロから「自社を名指ししているも同然、名誉毀損であり提訴する」との通告書が送られてきた。また、横田増生『ユニクロ帝国の光と影』が出版された際にも、出版元である文藝春秋と横田増生に対して、2億2千万円の損害賠償と本の回収・絶版を求めて提訴した。 こうしたユニクロとファーストリテイリングの高額な損害賠償を求める提訴を行う手法は、スラップ(恫喝訴訟・威圧訴訟)ではないかとの指摘があり、実際に「ユニクロ批判を封じ、メディア側を萎縮させる効果があったといえる」との見解もある。 なお、本件にかかる訴訟については、東京地方裁判所(土田昭彦裁判長)で2013年(平成25年)10月18日に判決が出され「『月300時間以上、働いている』と『ユニクロ帝国の光と影』で証言した店長の話の信用性は高く、国内店に関する重要な部分は真実」「中国工場についても、現地取材などから真実と判断した理由がある」と認定し、ユニクロの訴えを全面的に退けている。 また2014年(平成26年)3月26日には、控訴審である東京高等裁判所においても、東京地裁判決を維持。ユニクロの控訴を棄却する判決を言い渡している。さらに同年12月9日付で最高裁判所第三小法廷(大橋正春裁判長)は、ユニクロの上告を退ける決定を下した。これにより東京高裁判決が確定した。
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