スコモローフの楽器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 15:25 UTC 版)
グドーク(en) スコモローフが最初に手にしたと考えられている弦楽器である。楕円型あるいは梨型の胴と平らな共鳴板を持ち、3弦であった。1951年-1963年の発掘調査で12世紀のものと思われるグドークが見つかっている。16世紀には種類が増え、グドーチェク、グディーシチェといったバリエーションが誕生した。 グースリ キエフのスコモローフたちがもっとも多用したと考えられている楽器である。初期のものは、翼の形をした木製の小型の胴から「翼型」と呼ばれた。ノヴゴロドで1951 - 1962年にかけての考古学的な発掘調査によって13世紀の翼型グースリが発見されている。この型のグースリの弦は4-9本であった。14-15世紀には翼型の改良版として兜型グースリが登場した。弦の数は11-30本に増えている。16世紀になると、箱形(卓上型)グースリが製作された。 ドムラ 14世紀末から15世紀にかけて、ノヴゴロドのスコモローフたちの音楽が開花した時期に登場した楽器がドムラである。半球形の胴、短いネック、2弦を持つこの楽器は当時の実物が発見されていない。16世紀には、ドムリーシカ、バスドムラも現れた。 バラライカ 1688年のモスクワで親衛従兵の命令記録に、スコモローフがバラライカを弾いて歌っていたことが記されている。歴史上にバラライカが登場したもっとも早い時期の記録である。 このほか、フルートやソペリ・スヴィストコーヴァヤ、パンフルート、ヴォリンカ(バグパイプ)などの管楽器やブーベン(タンブリン)、ブリャチャーロ(小型のシンバル)などの打楽器も用いられ、11世紀には、すでにアンサンブルが生まれていた。キエフ大公スヴャトスラフ・ヤロスラヴィチ(en:Sviatoslav II of Kiev, 1027年 - 1076年)の宮殿では、定期的に大編成の器楽アンサンブルが民謡を題材としたレパートリーとされた。 19世紀末から20世紀にかけて、ワシーリー・アンドレーエフ(en:Vasily Vasilievich Andreyev, 1861年 - 1918年)はこれらの楽器を復元・改良し、「大ロシア・オーケストラ」(ロシア民族楽器オーケストラ)を組織した。
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