スケートボード競技実施の経緯
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「2020年東京オリンピックのスケートボード競技」の記事における「スケートボード競技実施の経緯」の解説
国際ローラースポーツ連盟によるスケートボード競技の運営開始 2014年12月8日、モナコで開催されたIOC臨時総会において、オリンピックの改革案『オリンピック・アジェンダ2020』が採決された。この改革案の中には開催都市のオリンピック組織委員会が追加種目を提案できることが含まれていた。スケートボード競技の当時の最大勢力の国際競技連盟(IF)であった国際スケートボード連盟(International Skateboarding Federation, ISF)は、IOCにスケートボードのオリンピック競技採用を働きかけていたが、ISFはIOC未承認団体(ARISF非加盟)であり、スポーツアコード(後の国際競技連盟連合)にも非加盟であった。スケートボードをオリンピック競技にしたいと考えていたIOCは、ISFの頭越しにARISF加盟団体の国際ローラースポーツ連盟(FIRS、後のワールドスケート)にスケートボード競技の運営を託し、2015年2月FIRSはスケートボード委員会を設置した。 東京オリンピック大会組織委員会による追加種目案の決定 2015年5月、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(TOCOG)種目追加検討会議は、FIRSを含むARISF加盟の33の国際競技連盟に追加種目の提案募集を開始。FIRSはインラインスケートとローラーマラソンを追加種目として実施したい旨を応募した。 TOCOGはIOCとの調整の中でIOCが若者に人気のスケートボード、スポーツクライミング、サーフィンのようなアーバンスポーツをオリンピックに増やしたいという意向を有していることを察知し、これを受けFIRSはスケートボードのストリート種目を追加申請した。2015年9月28日、TOCOG種目追加検討会議は提案種目案を決定したが、ローラースポーツでは当初申請していたインラインスケートとローラーマラソンが落選した一方、スケートボードは追加申請したストリート種目だけでなく未申請のパーク種目も採用された。TOCOG理事会も検討会議案の通り提案種目を決定し、IOCに追加種目を提案した。 FIRS傘下の日本ローラースポーツ連盟(JRSF、後のワールドスケートジャパン)会長の平沢勝栄はスケートボードの採用決定に「大きな喜び」と語ったものの、本命のインラインスケートとローラーマラソンが落選したことに「きわめて残念」と述べ渋い表情を浮かべた。JRSFは5月にISFの国内競技連盟である日本スケートボード協会会長の宮沢武久を委員長としてスケートボード委員会を設置したばかりで、スケートボードの全日本選手権大会もまだ開催したことがないという状況であった。 IOCによる東京オリンピック追加種目決定及び、ISFとFIRSの統合 ISF会長のゲイリー・リーム (Gary Ream) はオリンピックのスケートボード競技にその歴史や文化を知る自分たちが関係しないのはよくないとIOCやFIRSと盛んに接触するようになる。2016年8月にスケートボードの2020年東京オリンピック追加種目が決定するという見込みの中、2016年5月30日、FIRS本部もあるローザンヌのIOC本部でIOC競技部とFIRS、アメリカ・フィラデルフィアから出向いたリームらのISFの3者で非公式会談が持たれる。スケートボードについてFIRSがオリンピック、ISFはそれ以外の国際大会を主催するほか、オリンピックでの競技構成・審判・コースの設計を担当することで合意した。 2016年8月3日、リオデジャネイロでのIOC総会でTOCOG提案の追加種目18種目の実施が決定される。2017年9月、FIRSは総会で東京オリンピックに向けてISFとの統合とワールドスケート(World Skate)への改称を決定。リームはワールドスケート・スケートボード委員会委員長に就いた。
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