スカウトの敬礼
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/02 09:57 UTC 版)
「日本におけるスカウティング」の記事における「スカウトの敬礼」の解説
「ちかい」の3項目にちなみ、3本指(人差し指・中指・薬指)だけを伸ばした挙手注目の敬礼が、礼式の一つとして定められている(三指(さんし)の敬礼、三指礼(さんしれい)と呼ばれる)。姿勢を正し、右手で三指を作り、ひじを肩とほぼ水平になるように横に張り、ひじを曲げ、人差し指が右目の上の額に軽く触れるようにする。(手の上げ下ろしは最短距離を通るようにする。) この三指の敬礼については、「無名のスカウト戦士( Unknown Soldier 。注:無名スカウトの善行 (Unknown Scout Story) とは別)」という逸話が残っている。第二次世界大戦末期、戦場で負傷し身動きできなくなった米軍兵士が日本兵と遭遇した。意識を失った彼を日本兵は殺さず、傷の手当てをして立ち去った。米軍兵士の手元に残されていたメモには、「私は君を刺そうとした日本兵だ。君が三指礼をしているのをみて、私も子供の頃、スカウトだったことを思い出した。どうして君を殺せるだろうか。傷には応急処置をしておいた。グッド・ラック」と英語で記されていた。スカウトだった米軍兵士は、死に瀕して無意識に三指の敬礼をしていたのであった。このエピソードがアメリカ大統領に伝わり、当時の日本の少年団(現在のボーイスカウト日本連盟)に問い合わせがあったが、名乗り出る者はいなかった。この日本兵は戦死したのではないかと言われている。後に、日本中のスカウトの募金によって、神奈川県横浜市の「こどもの国」にこの無名のスカウト戦士の記念像が建立された。無名スカウト戦士の記念像の作製の際に作られた木製の原版は、栃木県那須野営場入り口に鎮座してある。 スカウトの敬礼は敬意を表すものであり、国旗のセレモニーやスカウト同士の挨拶として行う。ちなみにスカウト同士の手紙では、敬礼の代わりに拝啓と同様の扱いとして「三指」を、敬具と同様の扱いとして「弥栄(いやさか)」という字を添え、敬意を相手に伝えることが多い。
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