シリーズの出版
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 03:43 UTC 版)
『クマのプーさん』の物語はまず1925年12月24日、『イヴニング・ニュース』紙のクリスマス特集号に短編作品として掲載された。これは『クマのプーさん』の第一章にあたる作品で、このときだけは挿絵をJ. H. ダウドがつけている。その後作品10話と挿絵が整い、刊行に先駆けて「イーヨーの誕生日」のエピソードが1926年8月に『ロイヤルマガジン』に、同年10月9日に『ニューヨーク・イヴニング・ポスト』紙に掲載されたあと、同年10月14日にロンドンで(メシュエン社)、21日にニューヨークで(ダットン社)『クマのプーさん』が刊行された。前著『ぼくたちがとてもちいさかったころ』がすでに大きな成功を収めていたこともあり、イギリスでは初版は前著の7倍に当たる3万5000部が刷られた。他方のアメリカでもその年の終わりまでに15万部を売り上げている。ただし依然として人気のあった前著を売り上げで追い越すには数年の時間を要した。 『プーさん』の人気を受けて、ミルンは1927年に刊行されたシリーズ3作目にあたる童謡集『ぼくたちは六歳』 (Now We Are Six) でも、歴史的人物などとともに『プーさん』のキャラクターをあちこちに登場させた。1928年に『プー横丁にたった家』 (The house at Pooh Corner) が刊行されると、『プーさん』の続編としてロンドン、ニューヨークで爆発的な人気を博した。人気キャラクターであるティガーや「プー棒投げ」のエピソードが登場する『プー横丁』は、今日ではシリーズ4作のうちでもっとも人気のある作品となっている。これらの『クマのプーさん』のシリーズは、刊行当時から種々の限定版を含めさまざまな種類の版が現在と同じように作られ、コレクターによる収集の的となった。前述のように、後年にはシェパード自身の手による2種類の彩色版も作られている。
※この「シリーズの出版」の解説は、「クマのプーさん」の解説の一部です。
「シリーズの出版」を含む「クマのプーさん」の記事については、「クマのプーさん」の概要を参照ください。
- シリーズの出版のページへのリンク