シクロヘキサノンとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 自然 > 物質 > 化合物 > ケトン > シクロヘキサノンの意味・解説 

シクロヘキサノン

分子式C6H10O
その他の名称アノン、ナドン、ヒトロールO、ピメリンケトン、ケトシクロヘキサン、ケトヘキサメチレン、Anone、Nadone、Hytrol O、Cyclohexanone、Pimelinketone、Ketocyclohexane、Ketohexamethylene、Pimelin ketone、Sextone、RCRA waste number U-057、NCI-C-55005、セクストン、Pimelic ketone、3α-Cyclohexanone、Cyclohexan-1-one、1-Cyclohexanone
体系名:1-シクロヘキサノン、シクロヘキサン-1-オン、シクロヘキサノン、3α-シクロヘキサノン


シクロヘキサノン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/19 06:57 UTC 版)

シクロヘキサノン[1][2]
識別情報
CAS登録番号 108-94-1 
PubChem 7967
ChemSpider 7679 
UNII 5QOR3YM052 
EC番号 203-631-1
DrugBank DB02060
KEGG C00414 
ChEBI
ChEMBL CHEMBL18850 
特性
化学式 C6H10O
モル質量 98.15 g/mol
外観 無色の液体[3]
匂い ペパーミントまたはアセトンのような
密度 0.9478 g/mL, 液体
融点

−47 °C, 226 K, -53 °F [6]

沸点

155.65 °C, 429 K, 312 °F

への溶解度 8.6 g/100 mL (20 °C)
すべての有機溶媒への溶解度 混和
log POW 0.81
蒸気圧 5 mmHg (20 °C)[4]
磁化率 −62.04·10−6 cm3/mol
屈折率 (nD) 1.447
粘度 2.02 cP at 25 °C[5]
熱化学
標準生成熱 ΔfHo −270.7 kJ·mol−1
標準燃焼熱 ΔcHo −3519.3 kJ·mol−1
標準モルエントロピー So +229.03 J·K−1·mol−1
危険性
GHSピクトグラム
GHSシグナルワード Danger[6]
Hフレーズ H226, H302, H305, H312, H332, H315, H318[6]
Pフレーズ P280, P305+351+338[6]
NFPA 704
2
1
0
引火点 44 °C (111 °F; 317 K)
発火点 420 °C (788 °F; 693 K)
爆発限界 1.1–9.4%
許容曝露限界 TWA 50 ppm (200 mg/m3)[4]
最低致死濃度 LCLo 4706 ppm (マウス, 1.5 hr)[8]
半数致死量 LD50 1200 mg/kg (ネコ, 経口); 2362 mg/kg (ラット, 経口)[7]
半数致死濃度 LC50 8000 ppm (ラット, 4 hr)[8]
関連する物質
関連するケトン シクロペンタノンシクロヘプタノン
関連物質 シクロヘキサノール
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

シクロヘキサノン (cyclohexanone) は、有機化合物であり、シクロヘキサンメチレン基がひとつカルボニル基に置き換わった環状ケトンである。

無色の油状液体で[3]樟脳様のアセトンとも似た臭いを持つ。長期放置すると酸化され黄色に変色する。

水にわずかに溶ける (5-10 g/100 mL)。通常の有機溶媒とは任意に混和する。別名:アノン

日本では、消防法による第4類危険物 第2石油類[9]労働安全衛生法による2019年有害物ばく露作業報告対象物に指定されている。

合成法

  1. コバルトまたはマンガン酢酸塩もしくはナフテン酸塩を触媒とし、シクロヘキサンを自動酸化する。選択率を80%以上に維持するため、転化率は5%程度に抑えられる。蒸留により、未反応のシクロヘキサンを留去し、シクロヘキサノンとシクロヘキサノールの混合物(KAオイル)を得る。シクロヘキサノンを単離したい場合には、さらに蒸留により分離される。
  2. シクロヘキサノール亜鉛または触媒により、400-450℃で脱水素化する。
  3. フェノールを、Pd-CaO/Al2O3等のパラジウム触媒を用いて、気相、140-170℃で水素化する。

用途

ヒドロキシルアミン縮合させシクロヘキサノンオキシムとした後、ベックマン転位反応を用いてε-カプロラクタムに転換して、6-ナイロンの原料とする。

または、KAオイルを硝酸酸化して、アジピン酸とし、6,6-ナイロンの原料とする。
これらナイロンへの用途が大半を占め、その量は年間約500万トンに達する。溶媒、または酸化反応の活性化剤として用いられることもある。

脚注

  1. ^ ICSC 0425 – CYCLOHEXANONE”. inchem.org. 2022年8月24日閲覧。
  2. ^ CDC – NIOSH Pocket Guide to Chemical Hazards – Cyclohexanone”. Centers for Disease Control and Prevention (CDC). 2022年8月24日閲覧。
  3. ^ a b Cyclohexanone (CID 7967)”. PubChem. 2025年6月19日閲覧。
  4. ^ a b NIOSH Pocket Guide to Chemical Hazards 0166
  5. ^ Ch. Wohlfarth. “Viscosity of cyclohexanone”. In M.D. Lechner. Viscosity of Pure Organic Liquids and Binary Liquid Mixtures · Supplement to IV/18. Springer-Verlag. doi:10.1007/978-3-540-75486-2_192 
  6. ^ a b c d Sigma-Aldrich Co., Cyclohexanone.
  7. ^ 動物およびヒトに対し毒性
  8. ^ a b Cyclohexanone”. 生活や健康に直接的な危険性がある. アメリカ国立労働安全衛生研究所英語版(NIOSH). 2025年6月19日閲覧。
  9. ^ 法規情報 (東京化成工業株式会社)



シクロヘキサノンと同じ種類の言葉


固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「シクロヘキサノン」の関連用語


2
100% |||||

3
100% |||||

4
100% |||||

5
100% |||||


シクロヘキサノンのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



シクロヘキサノンのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
独立行政法人科学技術振興機構独立行政法人科学技術振興機構
All Rights Reserved, Copyright © Japan Science and Technology Agency
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのシクロヘキサノン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS