シェンゲン圏外とのローカル国境交通
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/23 06:50 UTC 版)
「シェンゲン圏」の記事における「シェンゲン圏外とのローカル国境交通」の解説
シェンゲン協定に加盟していない国と境界を接しているシェンゲン協定加盟国は欧州連合の規則によって、隣接する第三国との間でのローカル国境交通を認める2国間合意を締結または維持することが認められている。この規則ではそのような2国間合意が満たさなければならない条件を定めており、当該制度においてローカル国境交通許可証を導入する規定を定めなければならないとしている。許可証には所持者の氏名と顔写真が掲載されなければならないほかに、所持者が国境地帯の外に出ることを認めないこと、違反した場合は処罰が科されるということを記述しなければならない。ここでいう国境地帯とは、シェンゲン圏外との境界から30キロメートル以内の行政区画を含むものである。 シェンゲン情報システムで入域拒否の警戒情報が登録されておらず、またいずれの加盟国の公序、治安、衛生、国際関係に対する脅威とならないとされれば、許可証の所持者はシェンゲン圏外との境界を越えることが認められる。越境にさいして追加的な個人証明文書が必要であるか、許可証の所持者が国境地帯にどれだけの期間を滞在することができるのかという点については当事国間で規定されるが、滞在期間については3か月間を超えることは認められない。許可証の書式は、第三国の国民に対して発行される居住許可証の統一様式に従わなければならない。また許可証の有効期間は1年間から5年間までとされる。 許可証はシェンゲン協定加盟国に隣接する国の国境地帯に適法に居住する個人に対して、当事国間で定められた期間、通常は1年以上について発行される。許可証の申請者はローカル国境交通制度のもとで頻繁に越境する合理的な理由を示さなければならず、また上述した入域条件を満たさなければならない。シェンゲン協定加盟国は発行した許可証の記録を保管し、ほかの加盟国に対して発行情報を公開しなければならない。 シェンゲン協定加盟国が隣接する非加盟国との間で協定を締結するさいには、前もって欧州委員会から協定案の妥当性について承認を受けなければならない。協定の締結にあたっては、シェンゲン協定非加盟の当事国がシェンゲン協定加盟の当事国に対して少なくとも相互的な権利を認め、またシェンゲン協定非加盟の当事国出身である不法滞在者の帰還が確保されなければならない。
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