サイズ排除クロマトグラフィー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/15 23:28 UTC 版)
「クロマトグラフィー」の記事における「サイズ排除クロマトグラフィー」の解説
分子排斥クロマトグラフィー、分子篩(ふるい)クロマトグラフィー、SEC (size exclusion chromatography) とも呼ばれる。試料の分子サイズに基づく篩い分けを原理とするクロマトグラフィーである。移動相が有機溶媒であるゲル浸透クロマトグラフィー (GPC、gel permeation chromatography) と、移動相が水溶液であるゲル濾過クロマトグラフィー (GFC、gel filtration chromatography) とに大別される。 固定相担体は表面から内部に向かって狭くなる多孔質の素材でできている。したがって、多孔質のサイズが問題になるほど巨大な分子の場合、固定相内部まで分散侵入することができない。言い換えると小分子は担体内部にまで拡散できるが、大分子は担体の外部を流れ去るだけである。 このように試料のサイズにより見かけの固定相容積が異なるので、巨大分子が先に、小分子が後に流出してくる。この原理をサイズ排除クロマトグラフィーと呼ぶ。用途としては合成高分子、天然高分子の分子量、オリゴマーの分離などに用いられている。 特徴として 高分子物質の各種平均分子量及び分子量分布が同時に測定できる。 測定可能な分子量範囲が、数百~数千万と広い。 などが挙げられ、注意点としては、 分子量と、実際の分子の大きさとは必ずしも一致しない。 試料成分と充填剤に相互作用(吸着、イオン交換など)があると正しい分子量を測定できない。 などである。 分子排斥クロマトグラフィーはデキストリンゲルやアガロースゲルを使用した酵素たんぱく質の精製法として開発され、生化学、分子生物学の分野で利用されている。
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