ゴールド劇場・シルバー劇場とは? わかりやすく解説

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ゴールド劇場・シルバー劇場

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/10 15:52 UTC 版)

ゴールド劇場・シルバー劇場
情報
正式名称 ゴールド劇場・シルバー劇場
旧名称 マキノ劇場
開館 1983年8月8日
開館公演 細雪楢山節考(ゴールド)
成人向映画(シルバー)
閉館 2012年2月3日
最終公演 ニュー・シネマ・パラダイス(ゴールド)
白夜行 -白い闇の中を歩く-(シルバー)
客席数 220席(ゴールド劇場)
140席(シルバー劇場)
設備 ドルビーデジタル5.1ch
用途 映画上映
運営 株式会社スターキャット・エンタープライズ
所在地 453-0801
愛知県名古屋市中村区太閤1-23-11
最寄駅 JR名古屋市営地下鉄あおなみ線 名古屋駅から南に300m
名古屋鉄道 名鉄名古屋駅近畿日本鉄道 近鉄名古屋駅から南西に400m。
最寄バス停 名鉄バス「笹島町(西)」停留所
最寄IC 名古屋高速都心環状線 錦橋出口
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ゴールド劇場・シルバー劇場(ゴールドげきじょう・シルバーげきじょう)は、愛知県名古屋市中村区太閤1-23-11にあった映画館

スターキャット・エンタープライズによって運営されており、2スクリーンを有していた。二番館だった開館当初を除き、主に国内外のアート系作品を上映するミニシアターだった。

沿革

  • 1983年(昭和58年) - 二番館としてゴールド劇場・シルバー劇場が開館
  • 1985年(昭和60年)頃 - ミニシアターに転換
  • 2012年(平成24年)2月3日 - 閉館

データ

歴史

マキノ劇場

写真左の建物がゴールド劇場・シルバー劇場のあったビルであり、中央は大洋薬品工業本社

1956年(昭和31年)7月31日[注 1]ヘラルドグループ創業者の古川為三郎によって中村区太閤通1-56[注 2]に「マキノ劇場」(マキノ映劇)[注 3]が開館。マキノ劇場の館名は、映画館の所在地だった中村区牧野町に由来している[5]。マキノ劇場は邦画の二番館、後に名画座として営業したが、1983年(昭和58年)頃に閉館した[3]

ゴールド劇場・シルバー劇場

『劇場版 天元突破グレンラガン』の舞台挨拶で訪れた福井裕佳梨

1983年(昭和58年)8月8日、ヘラルド興業によってマキノ劇場跡地にゴールド劇場・シルバー劇場が開館した。ゴールドの初回上映作品は市川崑監督の『細雪[6]で、シルバーは成人映画だった[7]。開館当初はゴールド劇場が名画座、シルバー劇場が成人向映画の上映館だったが、同年12月3日にはシルバー劇場が名画座路線に転向した[8]。1985年(昭和60年)頃から国内外のアート系作品を上映するミニシアターとなり、『ミツバチのささやき[7]、『ニュー・シネマ・パラダイス』、『シュリ』、『東京日和』などを上映した。

名宝会館閉館後の一時期は、『K-19』や『ハルク』や『サンダーバード』など東宝洋画系の作品も上映していた。ビルの1階にはパチンコ店(末期はまんが喫茶)がテナントとして入居していた。

2003年(平成15年)にはヘラルド・コーポレーション民事再生法を適用し、センチュリーシネマとともに映画館の運営がスターキャット・エンタープライズに委託された。2004年(平成16年)からは毎月最終土曜日夜にオールナイト上映を実施していた[9]

2009年(平成21年)5月17日には、ゴールド劇場で上映されていたアニメ映画『劇場版 天元突破グレンラガン 紅蓮篇』の舞台挨拶で、同作の今石洋之監督と主人公・シモン役の柿原徹也、ニア役の福井裕佳梨が来館した[10]。また2011年(平成23年)2月19日には、『学校をつくろう』上映時の舞台挨拶で、同作出演の柄本時生池上リョヲマ、監督の神山征二郎がゴールド劇場を訪れている[11]

都市計画道路事業用地として道路拡張工事が行われる影響で、2012年(平成24年)2月3日に閉館して28年の歴史に幕を閉じた[12]。閉館前最後の1週間には『ローマの休日』、『山の郵便配達』、『ニュー・シネマ・パラダイス』、『東京日和』の4本を上映し、会員によって選ばれた2月3日の最終上映作品は『ニュー・シネマ・パラダイス』だった[13]。運営元のスターキャット・エンタープライズは、閉館の理由は経営難ではなく「(ささしまライブ24地区の整備事業にともなう)道路拡幅工事のため」と説明している[1][注 4]。最終上映は立ち見が出るほどの盛況ぶりとなった[14]

28年間で上映した作品数は2,050本、入場者数は237万人を数えた[15]。跡地の一部には2017年(平成29年)7月21日に「セブン-イレブン名古屋太閤1丁目店」がオープンしている[注 5]

関連項目

名古屋市のミニシアター

脚注

注釈

  1. ^ 名古屋市西部の映画館「消えた映画館の記憶」を参照した[3][4]
  2. ^ 後にゴールド劇場・シルバー劇場と同じ太閤1-23-11に。
  3. ^ 最末期の「マキノ映劇」は基本的に、一般映画2本に、成人映画1本を必ず挟み込む3本立興行で、よって自動的に成人向かつ18歳未満入場禁止となっていた。これと同様の興行形態は、名古屋市内では名宝会館西隣にあった二番館・「納屋橋劇場」(事実上廃館)でもみられた。
  4. ^ 閉館後の建物には、漫画喫茶「マンボー名駅店」が1階部分に入居して残っていたが、後に閉店し、程無く建物ごと取り壊された。なお、マンボー名駅店の住所は「名古屋市中村区太閤1-23-11 マキノ弘洋ビル 1階」となっていた。[1]
  5. ^ 先述の道路拡張工事終了後の建設となったため、セブン-イレブン太閤1丁目店の住所は「名古屋市中村区太閤1丁目2305番1」となっている[16]

出典

  1. ^ a b 吉村史織 (2012年1月6日). “ゴールド・シルバー劇場が閉館へ”. レポドラ日記. CBCラジオ. 2015年1月28日閲覧。
  2. ^ 『映画館名簿』、各年版
  3. ^ a b 『写真アルバム 名古屋の昭和』樹林舎、2015年、p.229
  4. ^ 柴田勝『中京 名古屋映画興業の変遷』自費出版、1974年、p.42
  5. ^ 木全公彦 日本映画の(ギョク) 名古屋のマキノ(第三編) - 映画の國(2010年5月17日)
  6. ^ 「秀作シネマ、28年に幕 名古屋の『ゴールド・シルバー劇場』きょう閉館」朝日新聞朝刊、2012年2月3日、p.27
  7. ^ a b ゴールド・シルバー劇場最後の一日”. 映画屋ブログ. アメーバブログ (2012年2月3日). 2015年1月28日閲覧。
  8. ^ ゴールド・シルバー劇場最後の一日 - 映画屋ブログ(2012年2月3日)
  9. ^ 「オールナイトシネマ、1周年迎える 名駅の2劇場」朝日新聞夕刊、2005年6月24日、p.4
  10. ^ 劇場版天元突破グレンラガン!!!”. 福井裕佳梨オフィシャルブログ yukaric~ユカリック~. アメーバブログ (2009年5月12日). 2015年1月28日閲覧。
  11. ^ 総合企画広報室広報課 (2011年2月25日). “名古屋 ゴールド劇場でも新たな感動が”. 専修大学. 2015年1月28日閲覧。
  12. ^ ゴールド・シルバー劇場 閉館のお知らせ
  13. ^ 「さよなら興行、名作4本を上映 名古屋のゴールド・シルバー劇場」朝日新聞朝刊、2012年1月21日、p.26
  14. ^ 名駅前の映画館「ゴールド・シルバー劇場」閉館 - 28年で2050本上映 名駅経済新聞、2012年2月6日
  15. ^ “名駅前の映画館「ゴールド・シルバー劇場」閉館-28年で2050本上映”. 名駅経済新聞. (2012年2月6日). http://meieki.keizai.biz/headline/1562/ 2015年1月28日閲覧。 
  16. ^ セブン-イレブン名古屋太閤1丁目店”. 全国の採用情報. セブン-イレブン ジャパン. 2018年11月17日閲覧。 “愛知県名古屋市中村区”

参考文献

  • 『映画年鑑 別冊 映画館名簿』 時事映画通信社 各年度版

ゴールド劇場・シルバー劇場

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/12 06:10 UTC 版)

スターキャット・ケーブルネットワーク」の記事における「ゴールド劇場・シルバー劇場」の解説

ゴールド劇場・シルバー劇場(ゴールドげきじょうシルバーげきじょう)は、名古屋市中村区太閤1丁目に所在していた2スクリーン映画館詳細は「ゴールド劇場・シルバー劇場」を参照 1956年7月31日古川為三郎により発足した名画座マキノ劇場』(まきのげきじょう座席数292席)がその前身。館名は映画館があった場所が中村区牧野町だったことに由来している。その劇場跡地建てられ1983年8月8日オープンしたのがゴールド劇場シルバー劇場である。 当初ゴールド名画座シルバー成人向映画の上映館としてスタートしたが、同年12月3日よりシルバー名画座路線転向その後アート系作品多数上映するミニシアター転身し多く名作佳作輩出名宝会館閉館後一時期東宝洋画系の作品(『K-19『ハルク』『サンダーバード』等)も上映していた。また、同館のあったビル1階にはパチンコ店末期まんが喫茶)がテナントとして入居していた。 オープン以来2,050本の作品上映してきたが、都市計画道路事業用地として道路拡張工事が行われる影響2012年2月3日を以て閉館となり、28年マキノ劇場時代から数えると56年)の歴史に幕閉じた最終日スターキャット・シネクラブ会員が選ぶ“最後の1本”として『ニュー・シネマ・パラダイス』がゴールド劇場特別上映され、立ち見が出るほどの盛況ぶりとなった。 当館の閉館により、旧ヘラルドグループ運営していた映画館はすべて姿を消した座席数 ゴールド: 220シルバー: 140席

※この「ゴールド劇場・シルバー劇場」の解説は、「スターキャット・ケーブルネットワーク」の解説の一部です。
「ゴールド劇場・シルバー劇場」を含む「スターキャット・ケーブルネットワーク」の記事については、「スターキャット・ケーブルネットワーク」の概要を参照ください。

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