ゴッホの「ひまわり」について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/31 09:36 UTC 版)
「損害保険ジャパン」の記事における「ゴッホの「ひまわり」について」の解説
1987年3月30日、当時の安田火災が、イギリス・ロンドンで行われたクリスティーズ主催のオークションで目玉として出品されたゴッホの「ひまわり」を約53億円で落札した。落札された「ひまわり」は、同年7月20日に成田に到着した。貴重な絵画だけに、飛行機の便名や到着時刻などは公表されなかった。そして、東郷青児美術館で10月13日から一般に公開されると、わずか半月で入館者が3万5千人を突破し、それまでの同美術館の年間入館者数(約3万人)を大きく上回る盛況となった。 絵画の価格が約53億円、オークション手数料・保険料なども合わせると約58億円かかったが、大金を使ったことに批判的な意見もあった。まず、あまりにも高額だったので、「ひまわり」を前例に、絵画の国際価格が日本企業のせいで上がってしまったというような批判。そして、金あまり日本を世界にさらすようなものだという批判。さらに、保険会社としての経営に直接関係しない分野への巨額投資が、会社全体の評価に及ぼす影響を懸念する批判、などである。もっとも、この好景気の時代に美術品を高額で購入した日本人・日本企業は多数に上ったものの、それに引き続く景気後退期にそのほぼすべてが元の海外へ流出したのに比べ、この「ひまわり」は現在に至るまで当美術館にて変わらず所有されていることを考慮すれば、それら批判への応分の社会貢献は為されているともいえる。 ゴッホの「ひまわり」は、6点現存する。ゴッホが同じような構図で描いたもので、わかりやすい大きな違いは、壷に活けてあるひまわりの数で、3本と12本、15本の3パターンがある。現在のSOMPO美術館に所蔵されているのは、15本のひまわりバージョンで、大きさも一番大きく縦1メートル、横76センチメートルのもので、もっとも鮮やかな黄色のひまわりと言われている。他美術館所蔵の「ひまわり」と比較して、当館の「ひまわり」は来歴に不明確な点があること、またサインもないため、贋作説もあった。ただし、ファン・ゴッホ美術館の学芸員・保存修復技官らによる調査によれば、他人による加筆の跡はあるものの真作であるとの報告がなされている。
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