コンペティツィオーネ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 07:51 UTC 版)
「ランチア・デルタS4」の記事における「コンペティツィオーネ」の解説
WRCにグループB規定が導入されると、ランチアはミッドシップ・後輪駆動のラリー037で成功を収めるが、ライバルメーカーの4WDマシンの熟成が進むと共に苦戦を強いられた。1985年シーズン末にランチアが投入したニューマシンS4はミッドシップ・4WDであることに加え、エンジンに二種類の過給機(アバルト製スーパーチャージャーとKKK(英語版)製ターボチャージャー)を付けていた。ターボラグが発生する低回転域はスーパーチャージャーがカバーし、4,000回転以上の高回転域をターボが受け持つ。リアには2基の大型インタークーラーが設置され、ボディサイドにはインタークーラー用のエアインテークが張り出している。 エンジンの排気量1,759ccは、過給機係数×1.4で2,500cc以下に収まるサイズ。車両区分の2,500cc以下クラスでは最低重量が890kgとなり、3,000cc以下クラスの960kgよりも軽量化のメリットを得られる。最高出力456ps/8,000rpm、最大トルク46kgf·m/5,000rpmを発生し、1986年最終戦アクロポリス・ラリーでは600psを超えていた。パワーウエイトレシオは2kg/psを切り、そのパワーで890kgの軽量な車体を加速させた。ただしこの過剰なパワーがピーキーな挙動を生み、乗り手を選ぶ車ともなった。また、アルミニウム製の燃料タンクが運転席の真下に位置していたため、後述のトイヴォネンの悲惨な死亡事故につながってしまった。 5速ギアボックスは縦置き直列4気筒エンジンの前方にミッドマウントされ、センターデフを介して前後30:70の割合で4輪に駆動力を配分する。初期のエボリューションモデルには、デフロックのためのレバーがある。
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