コミックブック専門店
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/01 02:51 UTC 版)
「ダイレクト・マーケット」の記事における「コミックブック専門店」の解説
コミックブックの販売は1970年代まで主にニューススタンドやグロサリーストア、ドラッグストア、コンビニエンスストア、玩具店で行われていた。1960年代の終わりにはコミックブック専門店がちらほら現れ始め、ニューススタンド取次から仕入れた新刊や、当時新しいカウンターカルチャーだったアンダーグラウンド・コミックスのほか、バックイシュー(過去号)を販売した。この種の専門店として北米最古とされているのは、1966年の春に“キャプテン・ジョージ”・ヘンダーソンがカナダのトロントに開店したバイキング・ブックショップである。同店は1年後にトロント市内で移転を行うとともにメモリー・レーン・ブックスに改名した。米国初のコミックブック専門店は、ゲイリー・アーリントン(英語版)が1967年か1968年に開店したサンフランシスコ・コミックブック・カンパニーだと考えられている。これら二店は現存しない。1970年代になると、ダイレクト・マーケットの成立により、コミックショップのネットワークが広く浸透し盛況を迎えた。 コミック専門店は既存の販売形態と比べて多くの強みを備えていた。 発売日: ダイレクト・マーケット傘下の専門店は多くの場合、ニューススタンド売りよりも1週間早く最新号を仕入れることができた。 商品の状態: グロサリーストアなどが雑誌の陳列に使っていたワイヤー製マガジンラックは深さがコミックブックサイズの半分しかないことが多く、本の背が折れたりページがめくれ返る問題があった。大抵のダイレクト・マーケット小売店はそれとは対照的に、コミックブックの状態を良好に保つため十分なサイズの書架を設置していた。また多くの専門店はコミックブック購入者にマイラーバッグ(ポリフィルム製の袋)とバックボード(折れ防止の板)を提供した(この習慣は1980年代にはじまり、店によっては現在でも続けられている)。 取扱商品: ダイレクト小売店はグロサリーストアには不適切な大人向けの作品(暴力、裸体、有害な言葉、ドラッグなどの描写を含むもの)も販売できた。加えて、ダイレクト配本では返品が認められなかったため、バックイシューを大量に備えている店が多かった。またグロサリーストアなどが扱わないミニフィギュア、ポスター、トイのようなグッズも置くことができた。 価格: ダイレクト小売店の顧客はグロサリーストアなどより平均年齢が高く、落としていく金額も数倍だった。これにより定価5ドル以上のコミックブックも珍しくなくなった。 商品知識: ダイレクト小売店の経営者は自身もコミック・コレクターであることが多く、したがって取扱商品に精通している。電話で予約注文が行える店も一般的である(カウンターでの取り置きは "pull and hold" と言われる)。グロサリーストアなどの商品陳列が乱雑なのに対し、ダイレクト小売店では出版社別やジャンル別など配列に工夫があることが多い。
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