コミックブック版とグラフィックノベル版の相違点
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「ゴーストワールド (コミック)」の記事における「コミックブック版とグラフィックノベル版の相違点」の解説
『エイトボール』誌に掲載されたオリジナル版は二色カラーである。前半は黒とダークブルー、後半は黒とやや明るい色合いの青、最後の2章は黒とライトグリーンが使われている。一冊にまとめられたグラフィックノベル版では、全編がライトグリーンと黒の配色で印刷されている。意図せぬ例外として、『エイトボール』第16号に掲載された章は印刷ミスにより青ではなくオレンジ色のトーンで印刷された。初出時のミスを忠実に再現した再録本『ザ・コンプリート・エイトボール』(ISBN 1606997572)では、クロウズは「なぜそんなことが起こったかいまだに不明だ」と述べている。 本作のキャラクターデザインはオリジナル版の連載中に大きく変化した。キャラクターの顔はこぎれいでシンプルなものになったが、これは作者の全般的なアートスタイルの変化による。本作以前から彼のトレードマークであった細かく描きこんだ顔の描き方は、この時期によりシンプルなデザインへと変化した。ジョン・エリスというキャラクターについて見てみると、オリジナルのコミック版では顔に陰やクロスハッチングが描かれていたが、書籍版ではよりシンプルで整理されたデザインになっている。目を引くもう一つの例は、第一章2ページ目のレベッカが雑誌を読んでいるコマである。オリジナルのコミック版では、レベッカの目と顎には陰がつけられ、髪は肩まで伸び、顔をしかめている。グラフィックノベル版ではこのコマは描き直されており、レベッカの容貌はより柔和で明るくなっている。このコマをはじめ、第一話に登場するイーニドの外見も手直しがされている。 グラフィックノベル版には5枚のイラストが描き下ろされ、コピーライト・目次・献辞などの前付ページに使われている。どのイラストも物語がはじまる以前に起こった出来事の図で、主人公二人が高校の卒業式に出席したり、墓参りをしている場面などが描かれている。後者はレベッカの両親(レベッカは祖母と住んでいるが、両親については作中で一度も言及されていない)もしくはイーニドの母(同じく作中に登場しない)の墓だと考えられる。卒業式で角帽礼服姿の二人が並び、イーニドが中指を立てている構図は映画版にも取り入れられた。 本作以前に描かれた作品『ライク・ア・ベルベット・グラブ・キャスト・イン・アイアン(英語版)』(邦訳版 ISBN 4903090000)と同様に、本作はグラフィックノベルとして書籍化される際に章題と目次が追加された。
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