コイによる生態系の破壊問題とは? わかりやすく解説

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コイによる生態系の破壊問題

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 03:04 UTC 版)

コイ」の記事における「コイによる生態系の破壊問題」の解説

コイ都市河川などで川をきれいにする目的河川環境保護一環として放流される種でもある。しかし、コイの本来の生息域大河川の下流域大きな湖で、中小河川放流される他の魚の卵や稚魚大量に捕食してしまうことがあるこうした放流について、地元固有種との交雑起こって万年もかけて築かれてきた固有種絶滅懸念する遺伝子汚染)声もあるが、当事者には全く意識されていないのが現状である。また、ニシキゴイ放流原因推測されるコイヘルペスウイルスによる感染症地元コイ蔓延し大量死する事件もある。 また、コイ底生生物水生植物などを根こそぎ食べてしまうという影響もある。 同じことは飼養種でないコイについても言えるコイは体が大きくて見栄えがするため、「コイが棲めるほどきれいな水域」というきわめて安直趣旨自治体レベルで川やダムなどに放流されることが多い。しかしコイはもともとBOD値の高い湖沼河川好んで住処とする種で、低酸素環境対する高い耐性がある。これは、生物界における一般的な基準からすると、他の生物の嫌う水質の悪い水域にしか生息できないこと意味する実際逆に水質がよい小川の堰の内部放流したニシキゴイが餌の問題から大量に餓死する例も報告されており、「コイが棲める=きれいな水域」という図式成立し得ないことがわかる。 市街地汚れた河川を上から眺めれば、ボラ放流されコイばかりが目につくということ多々ある。しかもコイ各種水生生物貪欲に食べてしまうので、往々にして河川環境単純化招きかねない生物多様性観点からすれば、もともとコイがいない水域コイ放流するのは有害ですらある。 日本では外来であるブラックバス問題がたびたび引き合い出されるが、上述たようなコイ放流ブラックバス放流同様の問題抱えている。本種には低温対す耐性雑食性、さらに60センチ・メートル超える大きさにまで育ち大きくなる天敵がほとんどいなくなるといった特徴がある。こうした特徴はいずれ侵略的外来生物共通するものであり、実際国際自然保護連合では、コイ世界の侵略的外来種ワースト100のうちの1種数えている。 特にコイ食す習慣のない北アメリカでは、在来水生生物圧迫するまでに繁殖している。人為的放流禁じている州もあるほどで、北アメリカ以外でも猛威振るっている例が報告されている。アメリカ合衆国では、中国原産コイであるハクレンコクレン五大湖周辺進出しており、これが五大湖流れ込んだ場合五大湖固有の駆逐される可能性指摘されている。

※この「コイによる生態系の破壊問題」の解説は、「コイ」の解説の一部です。
「コイによる生態系の破壊問題」を含む「コイ」の記事については、「コイ」の概要を参照ください。

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