ケムニッツァ・コンサーティーナ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 09:16 UTC 版)
「コンサーティーナ」の記事における「ケムニッツァ・コンサーティーナ」の解説
ケムニッツァ・コンサーティーナ (Chemnitzer concertina) は音域を拡張した大型のジャーマン・コンサーティーナである。呼称の由来は蛇腹楽器の歴史と縁が深いドイツのケムニッツ市から。ボタン鍵の数は機種のサイズによって違う。本来は38ボタンや39ボタンだったが、現在は大型の音域拡張型である51ボタンないし52ボタンの機種も普及している。この楽器の起源はドイツだが、20世紀初頭からドイツ系アメリカ人の楽器製作者たちによる改良が積み重ねられ、今日のような形になった。バンドネオンと大きさ、外見、音色がよく似ているため、しばしば日本では混同されがちであるが、実際にはボタン配列も奏法も異なる全く別の楽器である。それぞれの音のリードの数は機種によって違い、通常は2枚から5枚ていど、チューニングはオクターブ違い、あるいは、ユニゾン(複数のリードの同じ高さの音の複数のリードが同時に鳴る)、その他のさまざまである。ポーランド系アメリカ人のポルカ音楽の伴奏でもよく使われる。そのためアメリカ合衆国中西部で単に「コンサーティーナ」と言うとこのケムニッツァ・コンサーティーナを指すことが多い。 39ボタン(右23個、左16個)の、中型のケムニッツァ・コンサーティーナ。1926年製。 同、中央。「パール・クイーン」という機種名も見える。蛇腹上部の、つりさげ紐のΩ形の金具にも注意。 同、左手。バンドネオンと同様、チャンバー(共鳴箱)がついている。上掲のプリンケの絵「台所の軍楽兵」も参照。 ケムニッツァ・コンサーティーナ(左)、アングロ・コンサーティーナ(右)、バンドネオン(奥)の比較。
※この「ケムニッツァ・コンサーティーナ」の解説は、「コンサーティーナ」の解説の一部です。
「ケムニッツァ・コンサーティーナ」を含む「コンサーティーナ」の記事については、「コンサーティーナ」の概要を参照ください。
- ケムニッツァ・コンサーティーナのページへのリンク