グラスアイオノマーセメントとは? わかりやすく解説

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グラスアイオノマーセメント

虫歯などの治療使われる歯の詰め物のひとつ。他の詰め物比べる硬さがやや劣るがフッ素含まれており、虫歯再発防止する作用があると言われている。

グラスアイオノマーセメント

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 14:12 UTC 版)

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グラスアイオノマーセメント(glass ionomer cement、以下GIC)とは、歯科医療に用いられる有機セメントの一種で、歯質(エナメル質象牙質)と金属に接着性があり、フッ素徐放性を示す材料である。

その用途は多岐に渡り、成形歯冠修復材、裏層材、合着材、窩溝填塞材(フィッシャーシーラント)など、現代の歯科医療において広く用いられている。

名称

開発当初はASPA(粉末のalumino-silicata glassと液のpolyacrylic acidの頭文字)と略称されていた。

「アイオノマー」という名称はデュポン社(米)の商標であり、ISOでは「グラスポリアルケノエートセメント」(glass polyalkenoate cement)と呼称されている。

しかし、学術論文でも「グラスアイオノマー」の名称が用いられているため、本項もそれに準じる。

開発

GICは1969年にイギリス国立科学研究所のWilsonとKentによって開発された。

その後、バリウムガラスの添加でX線造影性を持たせる、HY材(タンニン・フッ化物)の添加で抗菌性を持たせる、アマルガム粉末の添加で物性の向上を図るなどの改良が施され、各メーカーで製品化されている。

さらには、レジン成分、光硬化反応システムを付与した「レジン強化型グラスアイオノマーセメント」(Resin-modified glass ionomer cement、以下RMGIC)や、粉液比を高めることで臼歯咬合面の充填も可能な「高強度充填用グラスアイオノマーセメント」(High viscosity glass ionomer cement、以下HVGIC)などが開発され、現在に至る。

なお、以前のGICをRMGICやHVGICと区別するときは、「従来型グラスアイオノマーセメント」(Conventional glass ionomer cement、以下CoGIC)と表現することがある。

組成

  1. CoGIC
    • 粉末:フルオロアルミノシリケートガラス(フッ化物を含むアルミノケイ酸塩ガラス)
      シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)のほか、フッ素徐放性を示すためのCaF2、AlF3、NaFなどが含まれている。
    • 液 :ポリアクリル酸とイタコン酸の共重合体(またはポリアクリル酸とマレイン酸の共重合体)を約50%含んだ水溶液。
      このほか、液のゲル化防止と操作性向上、硬化性向上などのため、酒石酸を5%添加している。
  2. RMGIC
    • 粉末:CoGICの粉末に重合促進剤を配合。
    • 液 :CoGICの液に、HEMA(水溶性レジンモノマー)や光重合開始剤、化学重合開始剤を配合。

参考文献

  • 小野瀬ほか編著、『第4版保存修復学』、医歯薬出版、2001年。
  • 西山ほか編著、『スタンダード歯科理工学(改訂版)』、学建書院、1999年。

グラスアイオノマーセメント

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 15:22 UTC 版)

保存修復学」の記事における「グラスアイオノマーセメント」の解説

合着セメントとしても多用されている。またグラスアイオノマーセメントの中にレジン成分混入し、その硬化をグラスアイオノマーの酸・塩基反応レジン重合反応によって行いセメントとしての性能総合的に向上させた新しタイプのものもある。 組成 粉末はフルオロアルミノシリケートガラスの粉砕微粒子である.その主成分3540%のシリカSiO2)と2030%のアルミナAl2O3)であり、これに溶融時のフラックスとして1520%フッ化カルシウムCaF2)、その他のフッ化物リン酸アルミニウム加えられている。これらが加熱融解されてガラスとなり粉末原料とされている。粉未粒子径修復用は45μm程度であるが、合着用は25μm程度とより細かくなっているようである。液はアクリル酸イタコン酸あるいはアクリル酸マレイン酸共重合体アクリル酸2分子と他の酸l分子結合)の50%弱の水溶液酒石酸5%が添加されている。酒石酸は反応緩徐にさせて操作時間延長するとともに硬化に際してはこれをシャープにする作用があり、また物性向上する効果がある。

※この「グラスアイオノマーセメント」の解説は、「保存修復学」の解説の一部です。
「グラスアイオノマーセメント」を含む「保存修復学」の記事については、「保存修復学」の概要を参照ください。

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