ク301
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/01 03:26 UTC 版)
ク301は全長18,920mm、全幅2,957mm、全高3,850mmリで自重は19.5t、荷重と運賃計算トン数はク300と同じである。台枠はク300と変わって平台枠となり、台車はコイルばねとオイルダンパを装備したTR41D-1形というもので、後に改造で全く同一の形式名の台車が現れるが別のものである。自動空気ブレーキの他に側ブレーキを装備していた。 自動車の積載方式は、ク300と同様にテーブルに固定してテーブルごと貨車に積載するという点では同じであったが、テーブルの動かし方が異なっていた。下段は、ク300では両端を軸として中央側が回転していたが、本車ではどちらのテーブルも同じ側を軸として回転するため、一方のテーブルは車体中央に回転軸がある。またク300では上段も2枚のテーブルに分割されていたが、本車では上段は1枚のテーブルとなっており、中央部分の支柱はなかった。この長いスパンを支えるために上段はガーダー構造になっていた。下段テーブルの回転軸が無い側の車端の支柱に昇降装置が組み込まれており、これにより上段テーブルは斜めに傾けられて下に降ろされ、これをホーム側に引き出して荷役を行う。昇降装置はク300と同様の電動チェーン式交流100V駆動である。上段同士の渡り板は本車にも装備されていたが、こちらは昇降装置のある側の一端に左右両方の渡り板が装備されていて反対側には渡り板が無い。つまり全ての車両の連結向きを揃えることで、渡り面ではどちらか一方の車両の渡り板により車路が形成される構造である。このことからク300と本車を連結しても、渡り板が干渉するかどちらか一方側しかないため渡ることができない。 これらの2両はどちらも同じ形式であるとはいえ、魚腹形台枠と平台枠、中央の支柱の有無、さらにク301の上段ガーダー構造など、外観は大きく異なるものであった。
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