クロロキブス属
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/11 15:29 UTC 版)
クロロキブス属 (Chlorokybus) は、サルシナ状群体 (複数の細胞が三次元的に密着した群体) を形成し、さらに多数の細胞塊が寒天質に包まれて集隗を形成する。個々の細胞は細胞壁に囲まれている。細胞壁の組成は陸上植物のそれに類似しているが、セルロースが少なくカロースが多い。またラムノガラクツロナン-Iを欠く。 栄養細胞は1個の核をもつ (単核性)。核分裂は開放型 (核膜が消失する)、中間紡錘体は残存性、極に中心小体が存在する。隔膜形成体 (フラグモプラスト) を欠く求心的な細胞膜陥入による細胞質分裂を行う。 葉緑体は1個、側膜性 (細胞膜に沿って存在)、大小2タイプのピレノイドが存在する。大型のピレノイドの基質には、多数のチラコイド膜が貫通している。またペルオキシソームが存在する。 ミトコンドリアDNA は大きく、約 202 kbp (kbp = 千塩基対) に達する。ミトコンドリアDNA における遺伝子の列び順には、他のストレプト植物と類似している点がある。 遊走子 (鞭毛をもつ胞子) や藻体の分断化による無性生殖を行い、有性生殖は未知。遊走子は、1細胞に1個形成され、母細胞壁の崩壊によって放出される。遊走子は細胞亜頂端から側方へ平行に伸びる2本の鞭毛をもち、方形鱗片で覆われている。遊走子は1個の葉緑体をもち、眼点を欠く。鞭毛装置は非対称な側方型であるが、他のストレプト植物に比べて微小管性鞭毛根があまり発達していない。 クロロキブス属はコケの間や岩上、土壌など陸上から報告されている。おそらく陸上環境への適応として、紫外線吸収アミノ酸をもつ。
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