クメン内乱の末路
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/04/26 06:06 UTC 版)
7214年6月に、クメン王国政府は、メルキア連邦政府との間に停戦協定を結んだ。これはビーラーゲリラの反乱に悩まされていたことと、クメン王国早期近代化の為の妥協と打算が入ったもの、そして百年戦争の終結によりメルキア政府が対クメンに全力を注ぐ事ができるようになったため、クメンが脅威を抱いたからでもあった。これにより今度はクメン王国政府側が対ビーラーに全力を注ぐ事が可能となり、戦いの主導権を握り、ビーラー側は後退を余儀なくされていく。 戦局不利となったビーラーゲリラは、根城であるカンジェルマン宮殿ムラハに立て籠もり、ここで最終決戦を迎え、激しい抵抗の末に玉砕した。だが、これは反乱の首魁であるカンジェルマンの真の目的でもあった。本来彼は王族でありながら、古いクメンの体制の改革を望む近代化の推進派だった。しかし古き血統の王族である自身が改革を進めることに限界を感じ、一転して反乱勢力を率いる立場となった。反乱勢力を一元化し、最終的に敗北することで改革反対派を滅ぼし、クメン内乱を終結させるのみならず早期近代化を実現することこそがカンジェルマンの目的であり、そして自らも自分を信じてついてきた者たちと共に滅びることが、彼なりの「けじめ」のつけ方であった。 この戦いでビーラーゲリラは一掃されたが、戦後にメルキア軍籍を得るはずであったゴン・ヌー将軍が戦死するなど、傭兵部隊アッセンブルEX-10も壊滅した。これは途中から戦闘に介入したメルキア軍降下騎兵部隊が、敵味方問わず攻撃をかけ殲滅した結果であった。戦争終結によりクメン政府にとって無用となる、さらにメルキア軍との裏取引で機密情報を知る傭兵部隊を一掃し、戦後処理を容易にするための処置で、部隊を派遣したバッテンタイン中将の命令により実行された。 反乱勢力の壊滅後、クメンは一応の早期近代化の時代を迎え、後に共和制に移行している。 しかし、テレビシリーズから32年後の世界を描いたOVA『幻影篇』第2話で描かれるクメン共和国には、依然工業化による急速な近代化を望まぬ勢力も未だ存在し、同国はクーデターと政権交代が繰り返される政情不安定な国家として描かれている。これはメルキア政府の援助の下にクメンの近代化が行われるという当初のプランが第4次銀河大戦勃発により頓挫してしまった事と、王室を廃止したことで民衆が心の拠り所を失った事が原因と思われる。 7247年には、カンジェルマンの遺志を継いでクメン近代化を推進してきたポル・ポタリア大統領が政敵のカンナム将軍によって引き起こされたクーデターによって失脚。大統領は首都から逃亡する途上、謎の死を遂げた。
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