キリスト教における事例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 02:13 UTC 版)
正戦論はアウグスティヌス以来のキリスト教主流派の説であり、カトリック教会が採ってきた立場でもある(但しアウグスティヌスの正戦論は未完成なものであり、正戦論は他にもアクィナスなどの多くの論者によって形成されていったものである)。 ポリュカルポス、アテナゴラス、テルトゥリアヌスは悪に対抗してはならず、軍役に服すことができないと説いた。 アレクサンドリアのアタナシオスは「殺人は許されない。しかし、戦争で敵軍を殺すことは合法的であり、賞賛されるべきことである」と主張した。 初代教会は財産に対する警戒と平和主義の伝統を持っていたが、4世紀以降に失われたとされることがある。そうした歴史観から、メノナイト、クエーカー、ブレザレン教会など歴史的平和教会は、平和主義を唱え、4世紀以前の教会を理想と見なしている。 日本において、日本基督教団は「日本基督教団より大東亜共栄圏に在る基督教徒に送る書翰」を発表して大東亜戦争は聖戦であると宣言し、これに協力した。日本のカトリック教会も同様に国策に協力した。 現代のカトリック教会は、過去唱えられてきた正戦論につき、現代の戦争の様相(科学兵器・核兵器)を鑑み、教皇ヨハネス23世の回勅『パーチェム・イン・テリス』における提唱を以て、正戦論をカトリックの平和論にふさわしくないものであるとしている。
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