ガウス整数とは? わかりやすく解説

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ガウス整数

(ガウス整数環 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/20 23:14 UTC 版)

ガウス整数とは、複素数平面では格子点に当たる。

ガウス整数(ガウスせいすう、英語: Gaussian integer)とは、実部と虚部が共に整数である複素数のことである。すなわち、a + bia, b は整数)の形の数のことである。ここで i虚数単位を表す。ガウス整数という名称は、カール・フリードリヒ・ガウスが導入したことに因む。ガウス自身はガウス整数のことを複素整数ドイツ語: Komplexe Ganze Zahl)と呼んだ[1]が、今日ではこの呼称は一般的ではない。

通常の整数は、b = 0 の場合なので、ガウス整数の一種である。区別のために、通常の整数は有理整数と呼ばれることもある。

数学的には一つ一つのガウス整数を考えるよりも、集合として全体の構造を考える方が自然である。ガウス整数全体の集合を Z[i] と表し、これをガウス整数環と呼ぶ。すなわち、

ガウス平面上のガウス素数。この模様は、床のタイル貼りやテーブルクロス織りに用いられることもある。有限の歩幅を持った人が、ガウス素数のみを踏むことによって、いくらでも遠くに行くことができるか、という問題は未解決である[2]
上部の画像の中央部分を拡大した図。

ガウス整数環を含む一般のにおいて、単数以外の元の積で表せない元のことを既約元といい、素元とは別であるが、後述するようにガウス整数環においては既約元と素元は同じ概念になるので問題はない。

約数が、同伴による違いを除いて 1 と自分自身のみである単数ではないガウス整数をガウス素数と呼ぶ。同伴による違いを区別しても、ガウス素数 z とは、約数が(8個の)自明な約数 (±1, ±i, ±z, ±iz) のみであるガウス整数のことである。通常の有理整数環 Z での素数と区別するために、通常の素数は有理素数と呼ばれることもある。

ガウス素数には以下の3つのタイプがある。

  • ノルムが 2 であるもの。すなわち、±(1 + i), ±(1 − i) の4つ。
  • ノルムが 4n + 1 の形の有理素数であるもの
これは 4n + 1 型の有理素数の分解を与える。
100 以下の 4n + 1 型の有理素数の分解(同伴な表示は略):
5 = (1 + 2i)(1 − 2i)
13 = (2 + 3i)(2 − 3i)
17 = (1 + 4i)(1 − 4i)
29 = (2 + 5i)(2 − 5i)
37 = (1 + 6i)(1 − 6i)
41 = (4 + 5i)(4 − 5i)
53 = (2 + 7i)(2 − 7i)
61 = (5 + 6i)(5 − 6i)
73 = (3 + 8i)(3 − 8i)
89 = (5 + 8i)(5 − 8i)
97 = (4 + 9i)(4 − 9i)

これは「2つの平方数の和で表せる素数は 24n + 1 の形のものに限る」という定理(フェルマーの二平方和定理)と、ガウス素数が素元であることによる。有理素数の単数以外による分解は 2 または 4n + 1 型に限られ、その分解は

p = (m + ni)(mni)

の形に限られる。

有理素数がガウス素数であるかどうかについて、24n + 1 型の有理素数は2つの共役なガウス素数に因数分解できるので、実質1つのガウス素数の平方であると解釈できる。この状況を「2分岐する」と表現する。また、4n + 3 型の有理素数はガウス素数でもある。この状況を「3惰性する」と表現する。

このように、ある環では素元であったものが、拡張した環でも素元であるか、またはどのような素元の積に分解されるのか、という問題は代数的整数論の主題の一つである(より正確には素元の代わりに素イデアルを考える)。

素因数分解の一意性

ガウス整数環の特筆すべき性質として、素元分解整域(一意分解環などともいう)であるという事実がある。つまり、

任意のガウス整数は積の順序・同伴による違いを除いてガウス素数の積で一意に表すことができる

という定理がある。

例:
5 = (1 + 2i)(1 − 2i) = (2 + i)(2 − i)
は2通りの因数分解を与えているが、1 + 2i2 − i1 − 2i2 + i がそれぞれ同伴であるので、これらは同じ因数分解とみなす。
(有理整数環で 6 = 2 × 3 = (−3) × (−2) は区別しないのと同様である)

素因数分解の一意性は、当然成り立つことであるかのように誤解されることは多い。初等教育中等教育では、有理整数の素因数分解の一意性の非自明性について触れられることはほとんどないが、しかし 2 が無理数であることの証明で、素因数分解の一意性を用いずに証明している、という点が挙げられる。歴史的にも長い間証明が必要なこととは認識されていなかった。しかし、例えば

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