ガウス型アンサンブルとは? わかりやすく解説

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ガウス型アンサンブル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/02/24 23:32 UTC 版)

ガウス型アンサンブル(英語: Gaussian ensembles, Gaussian β ensembles, β-Hermite ensembles)は、1962年にフリーマン・ダイソンにより導入されたランダム行列モデル。[1] 行列要素の確率分布にガウス分布を使用しているのでガウス型と呼ばれる。

クラス

ガウス型アンサンブルはダイソン指数と対称性(不変性)により以下のように分類される。

ガウス型アンサンブルの自由度と対称性
ガウス型アンサンブル ダイソン
指数
時間反転対称性
(TR:Time-Reversal)
空間回転対称性
(SR:Space-Rotation)
行列H 自己同型群
(行列 U)
GOE 直交アンサンブル β=1 実数
対称行列
O(n)
Orthogonal
GUE ユニタリーアンサンブル β=2 × ○または× 複素数
エルミート行列
U(n)
Unitary
GSE 斜交アンサンブル β=4 × 四元数
自己双対行列
(self-dual)
Sp(n)
Symplectic
  • ダイソン指数(β) - 英語: dyson index

行列要素の自由度(次元)、すなわち行列要素を決定する独立な確率変数の数。例えば複素数なら実部と虚部の2つとなる。βとして表記されることが多い。

  • 時間反転対称性

物理学における時間反転対称性は反ユニタリー対称性と等しくなる。 それゆえ時間反転対称性を有するアンサンブルは反ユニタリー対称性の制約を満たさなければならない。 w:en:T-symmetry参照。

  • 自己同型群

アンサンブルの対称性を表す。ランダム行列はこれら自己同型群の(共役)作用に対して不変である。 すなわち自己同型群である任意の行列 Uに対して、ランダム行列 HU H U-1 = H を常に満たす。 行列の相似群作用参照。

脚注

  1. ^ Freeman J. Dyson (1962  ). “The Threefold Way. Algebraic Structure of Symmetry Groups and Ensembles in Quantum Mechanics”. Journal of Mathematical Physics (The American Institute of Physics) 3 (6): 1199. doi:10.1063/1.1703863. ISSN 1089-7658. http://jmp.aip.org/resource/1/jmapaq/v3/i6/p1199_s1?isAuthorized=no 2013年2月8日閲覧。. 

ガウス型アンサンブル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/07 05:36 UTC 版)

ランダム行列」の記事における「ガウス型アンサンブル」の解説

詳細は「ガウス型アンサンブル」を参照 英語: Gaussian ensembles, β Hermite ensemble 1962年フリーマン・ダイソンにより導入された行モデル行列要素確率分布ガウス分布使用しているのでガウス型と呼ばれるGOE, GUE, GSE の3つのタイプがある。ウィグナー行列に対して確率分布としてガウス分布指定されさらに不変性に関する要件 ( U-1 H U = H ) が追加されたものと言える。 ガウス型アンサンブルの構成例種別GOEGUEGSE確率変数実数 (β=1) 複素数 (β=2) 四元数 (β=4) i.i.d. ガウス分布 i.i.d. ガウス分布 i.i.d. ガウス分布 Aj,k = N(0,1) Aj,k = N(0,1) + i N(0,1) Aj,k = N(0,1) + i1 N(0,1) + i2 N(0,1) + i3 N(0,1) 行列の構成H = (A + AT)/2 H = (A + A*)/2 H = (A + AD)/2 対称性 (不変性)OT H O = H U* H U = H SD H S = H 特徴対称行列 エルミート行列 自己双対行列 対角要素 hj,j = N(0,1) 非対角要素 hj,k = N(0, 1/2) の行列構成される

※この「ガウス型アンサンブル」の解説は、「ランダム行列」の解説の一部です。
「ガウス型アンサンブル」を含む「ランダム行列」の記事については、「ランダム行列」の概要を参照ください。

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