二個の平方数の和で表すこと
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/29 17:13 UTC 版)
「ピタゴラス素数」の記事における「二個の平方数の和で表すこと」の解説
詳細は「二個の平方数の和」を参照 二個の平方数の和である奇数は 4n + 1 の形をしているが、21 のように 4n + 1 の形をしていても二個の平方数の和に表せないものもある。フェルマーの示したところによると、2 および 4n + 1 の形をした素数は二個の平方数の和で表され、かつ二個の平方数の和で表される素数はそのようなものに限る。そして、二個の平方数の和で表す方法は、和の順序の入れ替えを区別しなければただ一通りである。 ピタゴラスの定理によれば、二個の平方数の和で表した表現は、図形の話に翻訳される。すなわち、p がピタゴラス素数であって p = x2 + y2 であるならば、(x, y, √p) は直角三角形の3辺の長さになる。よって、奇素数 p がピタゴラス素数であるとは、直角を挟む2辺の長さが整数である直角三角形の斜辺の長さとして √p が現れることに他ならない。また、奇素数 p がピタゴラス素数であるとは、直角を挟む2辺の長さが整数である直角三角形の斜辺の長さとして p 自身が現れること、といっても差し支えない。なぜならば、p = x2 + y2 であるとき、 p 2 = ( x 2 − y 2 ) 2 + ( 2 x y ) 2 {\displaystyle p^{2}=(x^{2}-y^{2})^{2}+(2xy)^{2}} が成り立つからである。 上記の式を理解するひとつの方法は、ガウス整数、すなわち実部と虚部が共に整数である複素数を利用することである。ガウス整数 x + yi のノルムは x2 + y2 であるから、ピタゴラス素数(および 2)はガウス整数のノルムとして表せ、その他の素数はそのようには表せない。ピタゴラス素数は、ガウス整数の世界ではもはや素数ではなく、 p = ( x + y i ) ( x − y i ) {\displaystyle p=(x+yi)(x-yi)} と分解される。このとき、 p 2 = ( x + y i ) 2 ( x − y i ) 2 = ( x 2 − y 2 + 2 x y i ) ( x 2 − y 2 − 2 x y i ) = ( x 2 − y 2 ) 2 + ( 2 x y ) 2 {\displaystyle p^{2}=(x+yi)^{2}(x-yi)^{2}=(x^{2}-y^{2}+2xyi)(x^{2}-y^{2}-2xyi)=(x^{2}-y^{2})^{2}+(2xy)^{2}} であるから、(|x2 - y2|, 2xy, p) が直角三角形の3辺の長さとなる。
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