作図可能数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/04 08:05 UTC 版)
「定規とコンパスによる作図」の記事における「作図可能数」の解説
詳細は「作図可能数(英語版)」を参照 平面内に原点 O ともう一つの基準となる点 P が与えられると、O の座標を (0, 0)、P の座標を (1, 0)とするような xy-座標系を平面上で考えることができる。この二つの点を元に定規とコンパスを使った有限回の操作で点 Q (座標を (q, r) とする)が指定されたとすると、体の二次拡大の塔 Q = K0 ⊂ K1 ⊂ … ⊂ Kj ⊂ … ⊂ Kn ([Kj+1 : Kj] = 2 for any j) が存在して q, r ∈ Kn となっていなければならない。 実際、座標 (a, b) の点を中心として座標 (c, d) の点が円周上にあるような円は (x − a)2 + (y − b)2 = (c − a)2 + (d − b)2 という方程式によって表され、座標 (a′, b′)の点と座標 (c′, d′)の点を通る直線は (d′ − b′)(x − a′) + (c′ − a′)(y − b′) = 0 という方程式によって表されている。従って、作図できている点を元にして描いた円や直線の交点として新しい点を求めるという操作はこれら高々二次の方程式を連立させてその解を求めるという問題に帰着される。 とくに Kn の Q 上の拡大次数は 2n であり、Kn の部分体である Q(q) や Q(r) も同様の構造を持っていなければならないことがわかる。したがって Q(p) の次元が 2 の冪にならないような代数的数 p やそもそも代数方程式の根として表せないような超越数 p を座標に持つ点は作図できない。
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