カルテ流出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/15 15:44 UTC 版)
「大淀町立大淀病院事件」の記事における「カルテ流出」の解説
診療経過など、極めて詳細な個人情報や診療録の内容などが、医師専用電子掲示板に勝手に書き込まれ、医師らの公開ブログにも転載されるという個人情報漏洩事件が起こった。 遺族側の石川寛俊弁護士が2007年4月28日、大阪市内で開かれた産科医療をめぐる市民団体のシンポジウムで明らかにし、石川弁護士は、個人情報保護条例に基づく対処を大淀町に要請した。また条例違反(秘密漏示)などでの刑事告訴を検討。遺族は「あまりに個人的な内容で驚いた。患者の情報が断りもなく第三者に伝わるなら、診察室で何も言えない」と話した。 カルテを流出させたのは、近畿在住の男性開業医で、警察が捜査を開始したところ、医師は遺族に謝罪したが、入手経路は明らかにしなかった。さらに同掲示板に「脳出血を生じた母体も助かって当然、と思っている夫に妻を妊娠させる資格はない」と投稿した神奈川県横浜市の医師は、侮辱罪で奈良区検察庁に略式命令を受けた。遺族らに対しての『産科医療を崩壊させた』という中傷も相次いだ。遺族は「中傷は被害者を苦しめるだけでなく、医療界の信頼を下げるということも強く考えてほしい」と話した。 状況を憂慮した日本医師会の生命倫理懇談会(高久史麿・日本医学会会長)は2010年2月、こうしたインターネット上の加害行為を「専門職として不適切だ」と、ドクターハラスメントを強く戒める報告書をまとめるに至った。
※この「カルテ流出」の解説は、「大淀町立大淀病院事件」の解説の一部です。
「カルテ流出」を含む「大淀町立大淀病院事件」の記事については、「大淀町立大淀病院事件」の概要を参照ください。
- カルテ流出のページへのリンク