カスミサンショウウオとは? わかりやすく解説

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かすみ‐さんしょううお〔‐サンセウうを〕【×霞山×椒魚】

読み方:かすみさんしょううお

サンショウウオ科両生類体長11センチくらい。背面滑らかで灰褐色、尾の中央黄色のすじがあり、全身に小斑紋がある。本州中部以西四国九州丘陵地分布1〜3月止水中に産卵する


霞山椒魚

読み方:カスミサンショウウオ(kasumisanshouuo)

サンショウウオ科サンショウウオ

学名 Hynobius nebulosus nebulosus


霞山椒魚

読み方:カスミサンショウウオ(kasumisanshouuo)

山椒魚一種

季節

分類 動物


カスミサンショウウオ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/08 06:23 UTC 版)

カスミサンショウウオ
カスミサンショウウオ Hynobius nebulosus
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 両生綱 Amphibia
: 有尾目 Caudata/Urodela
: サンショウウオ科 Hynobiidae
: サンショウウオ属 Hynobius
: カスミサンショウウオ
H. nebulosus
学名
Hynobius nebulosus
(Temminck & Schlegel, 1838)[1][2][3]
シノニム[2]
  • Salamandra nebulosa
    Temminck & Schlegel, 1838
  • Ellipsoglossa nebulosa
    Duméril, Bibron & Duméril, 1854
  • Hynobius ikishimae Dunn, 1923
和名
カスミサンショウウオ[3]
英名
Clouded salamander[2]

カスミサンショウウオ (霞山椒魚、Hynobius nebulosus) は、両生綱有尾目サンショウウオ科サンショウウオ属に分類される有尾類。サンショウウオ属の模式種。

分布

日本九州北部および西部 - 鹿児島県熊本県佐賀県長崎県壱岐福江島を含む>、福岡県[2]

模式標本の産地(模式産地)は長崎であり、シーボルトにより採取されたメスの成体のものである[2]

形態

全長オス8.4 - 11.9センチメートル[3]。頭胴長4.7 - 6.7センチメートル[2]。尾は短く[3]、頭胴長の約69.5パーセント[2]。体側面に入る皺(肋条)は左右に13本ずつ[2]。種小名 nebulosus は、ラテン語で「雲状の」の意[2]。尾の背面および腹面の外縁に黄色い筋模様が入る[2]

頭部は幅広い[2]。上顎中央部に並ぶ歯の列(鋤骨歯列)は、アルファベットの「V」字状[2]。四肢は短く、後肢の趾は5本[2]

卵嚢は柄のような構造物はなく、表面には明瞭な筋が入らない[2]。幼生は全長2.89 - 3.15センチメートル(長崎県)[2]。幼生に爪はない[2]。背面は淡褐色で、黒い斑点が入る[2]

分類

以前は岐阜県以西から九州にかけて分布する広域分布種とされていたが、形態・遺伝的な地域変異が大きく複数の隠蔽種を含んでいると考えられていた[2]。2019年に形態やミトコンドリアDNAシトクロムbの分子系統解析から本種のシノニムとされていたヤマトサンショウウオ H. vandenburghi(近畿地方東部から東海地方南部)を復活させ、アブサンショウウオ H. abuensis(島根県・山口県)・アキサンショウウオ H. akiensis(愛媛県今治市・広島県)・ヤマグチサンショウウオ H. bakan(大分県・山口県)・イワミサンショウウオ H. iwami(島根県北西部および広島県の県境周辺)・サンインサンショウウオ H. setoi(島根県東部から兵庫県北西部にかけて)・セトウチサンショウウオ H. setouchi(近畿地方西部<淡路島含む>から中国地方東部・四国東部)・ヒバサンショウウオ H. utsunomiyaorum(広島県から兵庫県にかけての中国山地)の7種が新種記載されたことで、本種を9種に分ける説が提唱された[2]。この説に従うと狭義の本種は、九州北部および西部にのみ分布する[2]

属内では、ツシマサンショウウオやヤマグチサンショウウオに近縁とされる[3]

生態

繁殖期は壱岐や長崎では1月下旬から、少なくとも壱岐では3月下旬まで繁殖する[3]。水たまりや池沼・溝・水路・休耕田などで繁殖する[2]

人間との関係

森林伐採や道路・砂防ダム建設による生息地の破壊、ペット用の乱獲などにより生息数は減少している[3]

絶滅危惧II類 (VU)環境省レッドリスト[3]

2022年1月に特定第二種国内希少野生動植物種に指定されており、販売や頒布を目的とした捕獲や譲渡などの行為が禁止されている[4]

鹿児島県では、2014年4月22日に県指定天然記念物として指定されている[5]。過去には広島県東広島市の市指定天然記念物として広義の「カスミサンショウウオ」が指定されていたが、先述(#分類)の2019年の分類見直しを受けて名称が「アキサンショウウオ」に変更された[6]

出典

  1. ^ a b IUCN SSC Amphibian Specialist Group. 2021. Hynobius nebulosus. The IUCN Red List of Threatened Species 2021: e.T149671176A149671480. doi:10.2305/IUCN.UK.2021-1.RLTS.T149671176A149671480.en. Downloaded on 19 July 2021.
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u Matsui, Masafumi; Okawa, Hiroshi; Nishikawa, Kanto; Aoki, Gen; Eto, Koshiro; Yoshikawa, Natsuhiko; Tanabe, Shingo; Misawa, Yasuchika et al. (2019). “Systematics of the Widely Distributed Japanese Clouded Salamander, Hynobius nebulosus (Amphibia: Caudata: Hynobiidae), and Its Closest Relatives”. Current Herpetology 38 (1): 32–90. doi:10.5358/hsj.38.32. 
  3. ^ a b c d e f g h 松井正文 「カスミサンショウウオ」『環境省レッドリスト2020 補遺資料』環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室編、環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室、2020年、27頁。
  4. ^ 国内希少野生動植物種一覧”. 環境省 (2023年1月). 2023年2月6日閲覧。
  5. ^ カスミサンショウウオ”. 鹿児島県教育委員会 (2022年2月13日). 2023年2月6日閲覧。
  6. ^ 東広島市指定文化財の名称変更について”. 東広島市 (2019年7月30日). 2023年2月6日閲覧。

関連項目




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