カイロミクロンとは? わかりやすく解説

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カイロミクロン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 07:39 UTC 版)

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カイロミクロンの構造
ApoA, ApoB, ApoC, ApoEアポリポタンパク質); Tトリアシルグリセロール); Cコレステロール); 緑(リン脂質

カイロミクロン: chylomicron、乳糜脂粒)またはキロミクロンは、リポタンパク質粒子であり、トリグリセリド(85-92%)、リン脂質(6-12%)、コレステロール(1-3%)、タンパク質(1-2%)で構成される[1]。カイロミクロンは食物中の脂質から体内のその他の場所へ輸送する。脂肪およびコレステロールを血流の水性溶液中で移動できるようにするリポタンパク質の5つの主要なグループ(カイロミクロン、VLDLIDLLDL (Low-density lipoproteinHDL)の1つである。

名称はchyle乳糜)+ 古代ギリシャ語で「小さい」を意味するμικρόν (mikrón) から。

機能

カイロミクロンは外因性脂質を肝臓脂肪心臓、および骨格筋組織に輸送する。これらの場所で、リポタンパク質リパーゼの活性によってトリグリセリドが降ろされる。結果として、カイロミクロンの残部は肝臓で吸収される。

起源

カイロミクロンは小腸の吸収細胞英語版、具体的には十二指腸絨毛の上皮細胞で産生されるリポタンパク質の一種である。

ステージ

カイロミクロンの「ライフサイクル」には3つのステージがある。

  • 未成熟カイロミクロン
  • 成熟カイロミクロン
  • カイロミクロンレムナント(残遺物)

未成熟カイロミクロン

カイロミクロンは腸細胞(enterocyte)とて知られる小腸の吸収細胞で作られる。これらは直径75から1,200ナノメートルと比較的大きい。これらの未成熟カイロミクロンはエキソサイトーシスによって腸細胞から乳糜管(小腸の絨毛に起源があるリンパ管 (Lymphatic vessel)へと放出され、その後左鎖骨下静脈と繋がった胸管で血流に分泌される。

未成熟カイロミクロンは主にトリグリセリド(85%)で構成されており、コレステロールやコレステロールエステル英語版を含んでいる。主なアポリポタンパク質成分はアポリポタンパク質B-48英語版(APOB48)である。

成熟カイロミクロン

リンパ液および血液中を循環している間、カイロミクロンは高比重リポタンパク質 (HDL) と成分を交換する。HDLはアポリポタンパク質C-II英語版 (APOC2) およびアポリポタンパク質Eを初期カイロミクロンに提供し、成熟カイロミクロンへと変換する。APOC2はリポタンパク質リパーゼ (LPL) 活性の補因子である。

カイロミクロンレムナント

トリグリセリドの蓄えが消費(配布)された時点で、カイロミクロンはAPOC2をHDLに戻し(APOEは保持する)、わずか20〜50 nmのカイロミクロンレムナントとなる。APOB48およびAPOEは、エンドサイトーシスおよび分解のため肝臓でカイロミクロンレムナントが識別されるために重要である。

脚注

  1. ^ M Mahmood Hussain (2000). “A proposed model for the assembly of chylomicrons”. Arterosclerosis 148: 1-15. doi:10.1016/S0021-9150(99)00397-4. PMID 10580165. 

カイロミクロン(CM)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 19:44 UTC 版)

リポタンパク質」の記事における「カイロミクロン(CM)」の解説

詳細は「カイロミクロン」を参照 0.94 g/mL 未満リポタンパク質で、直径は 180 - 500 nm 程度。 カイロミクロン中には約1:10割合コレステロールトリアシルグリセロールTG)が含まれる腸管から吸収され脂質腸管粘膜リポタンパク質再構成され、リンパ管通り中枢である肝臓運ばれるその役割を果たすのがカイロミクロンである。構成するアポリポタンパク質としてApoB48などがある。 リポタンパク質リパーゼ(LPL)欠損症では、高カイロミクロン血症を示す。一方でリポタンパク質合成するのに必要なMTP(ミクロソームトリグリセリド輸送タンパク)を欠損する場合、無βリポタンパク血症になり、脂溶性ビタミン運ばれなくなるので、ビタミンAビタミンE欠乏症似た夜盲症末梢神経麻痺などの症状をきたす。

※この「カイロミクロン(CM)」の解説は、「リポタンパク質」の解説の一部です。
「カイロミクロン(CM)」を含む「リポタンパク質」の記事については、「リポタンパク質」の概要を参照ください。

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