オークランド諸島海難史
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「オークランド諸島」の記事における「オークランド諸島海難史」の解説
オークランド諸島の沿岸は岩がちであるため、数多くの船が損害を被った。1864年1月3日には、トーマス・マズグレイブ船長(Thomas Musgrave (castaway))のスクーナー船グラフトン号(Grafton (ship))がオークランド諸島のカーンリー・ハーバーで難破した。漂流ののちに生還したマズグレイブ船長は、Castaway on the Auckland Isles を著している。 1866年5月14日にオークランド島の西海岸で発生した、米国のバーク船(帆船)ジェネラル・グラント号(General Grant (ship))の遭難は、ニュージーランドで最も有名な海難事故とされる。ジェネラル・グラント号には金塊が積まれていたと伝えられており、これまでに幾度となく積荷の引き揚げが試みられてきたが、すべて失敗している。 20世紀に入ってからも海難事故は絶えず、1907年にはディサポイントメント島近海でダンドナルド号(Dundonald)が遭難した。28人の乗組員のうち、船から退避できたのは17人であったが、1名はディサポイントメント島への上陸時に崖から転落して行方不明となり、1名 (一等航海士, Jabez Peters)が島での生活中に死亡した。15名の生存者たちは、7か月後にディサポイントメント島を訪れた科学調査隊によって救出されている。 諸島近海での海難事故が絶えないことから、漂流者向けの緊急避難倉庫設立の要望が1868年に上がった。ニュージーランド当局は1887年以来、北部のポート・ロス、東海岸中部のノーマン入り江、南部のカーンリー・ハーバーの3か所に倉庫(Castaway depot)を建設し、維持している。このほか倉庫よりも小規模な補給施設(避難倉庫に向かうためのボートを含む)も建設されている。また島の周囲には40か所のポスト(道標)が立てられ、若干の補給品の提供も行われている。
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