オオシモフリエダシャクの写真は幹に接着されていたものだから実験は詐欺である
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/27 01:06 UTC 版)
「工業暗化」の記事における「オオシモフリエダシャクの写真は幹に接着されていたものだから実験は詐欺である」の解説
多くの教科書で用いられている、幹に張り付いたオオシモエダシャクの写真は準備されたものである(死んだ蛾を並べて幹にピン留めしてある)。このことは、「研究すべてが演出されている」という考えと結びつけられた。インテリジェントデザインの指導者フィリップ・E・ジョンソンが、「くさび戦略(en:Wedge strategy)」を提案したセミナーで、またインテリジェントデザイン支持者ジョナサン・ウェルズが著書進化のイコンの中で、それぞれこうした主張を展開した。 しかしこれらの主張は誤解に基づいた誤ったものである。個々の要素を調べるための多くの異なる実験のうちの一つでは、死んだ蛾が木に貼り付けられたものもあったが、その実験は「鳥による捕食率の差」仮説が正しいかどうかを確認するためのものではなく、蛾の密度が鳥の採餌行動にどのような影響が与えるかを調べたものである。「鳥による捕食率の差」仮説自体が正しいとされた根拠は、演出された写真ではなく観察されたデータである。また、小さくて素早い動物をイメージ通りに撮影することは困難であり、教科書の写真では死んだ昆虫が用いられることが多い。教科書におけるオオシモフリエダシャクの写真も見やすさのためであり、研究の結論を導くためのものではない。さらに、マイケル・マジェラスの本の写真は自然の中の生きている蛾が使われており、演出されていない。その写真は教科書の「演出された」写真と同じように見える 。
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