オオシモフリエダシャクの暗化の遺伝的背景
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/27 01:06 UTC 版)
「工業暗化」の記事における「オオシモフリエダシャクの暗化の遺伝的背景」の解説
交配実験から、オオシモフリエダシャクの暗化型個体か淡色型個体かは遺伝的なものであり、暗化型個体か淡色型個体かを決めるのは一つの遺伝子座上にある対立遺伝子であると推定された。黒い体色にかかわる対立遺伝子が顕性(優性)で、白い体色にかかわる対立遺伝子は潜性(劣性)である。また、オオシモフリエダシャクの工業暗化はイギリスとアメリカでそれぞれ起こっているが、一見すると区別できないイギリスの暗化型個体(f.carboniana)とアメリカの暗化型個体(f.swettaria)について、遺伝的分析と交雑実験は、どちらも暗化型の表現型は常染色体の顕性な形質として受け継がれ、これらの表現型は同一の遺伝子座にあるアイソアレル(isoallele;別々の対立遺伝子)によって生み出されていることを示している。これは二つの地域における平行進化のモデルと言える。 近年の研究で、イギリスにおける黒色個体(f.carboniana)を生み出す対立遺伝子は、17番染色体のcortex遺伝子の最初のイントロンに生じた転移因子の挿入によって突然変異として生じたことが示唆されている。
※この「オオシモフリエダシャクの暗化の遺伝的背景」の解説は、「工業暗化」の解説の一部です。
「オオシモフリエダシャクの暗化の遺伝的背景」を含む「工業暗化」の記事については、「工業暗化」の概要を参照ください。
- オオシモフリエダシャクの暗化の遺伝的背景のページへのリンク