エンジンノック
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/04 01:30 UTC 版)
一般的にはレシプロエンジンがキンキン・カリカリなどと金属性の音や振動を発する現象全般を指す。 圧縮過程で燃焼室にたまったスラッジなどが断熱圧縮により熱源となって点火時期より早く自己発火するプレイグニッションと、点火プラグ付近の燃焼が周辺に波及する火炎伝達速度より、燃焼の圧力がより早く音速で周辺に伝わることで不規則な燃焼を起こすデトネーションを区別するが、両者は通常程度の差はあれ同時に発生することが多く区別しない場合もある。 プレイグニッションは、プラグ以外の箇所で燃焼が始まるため、ピストンやシリンダ、プラグなどの表面を破壊する。デトネーションは、燃焼した火炎を覆って断熱する空気の断熱境界層を破壊するため、高温の火炎がピストンやシリンダ、プラグなどの表面を破壊する。どちらにしても最悪な場合にはエンジンブローにつながる。 主な原因としては、点火時期が早すぎる・圧縮比が高すぎる・過給圧の上げすぎ・燃料のアンチノック性(オクタン価)の低さ・極端に薄い混合気などが挙げられる。 対策としては、点火時期を遅くする・圧縮比を下げる・過給圧を下げる・高オクタン価ガソリンを使う・混合気を濃くする等があるが、これらの対策には燃費増大等の副作用もあり、昨今重要視されているエコ優先のエンジン開発の悩みの種となっている。
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