エレメント長を1波長とするもの
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/29 10:40 UTC 版)
「ループアンテナ」の記事における「エレメント長を1波長とするもの」の解説
ループアンテナの最も基本的な構造は、長さが1波長の円形(正確には円弧形)の導線の両端に給電するものである。ダイポールアンテナなどと同様に、導線(エレメント)に定常波を生じさせることにより、電場を形成する。特徴は次の通りである。 利得が高い[要出典] 電波の偏波面に依らないため、垂直偏波・水平偏波のどちらも同様に、さらには偏波面が変動する電波でも、拾うことができる[要出典] 雑音に強い(S/N比が良い)[要出典] ダイポールアンテナに比べ、共振する(使用できる)周波数がやや広い 短波から極超短波まで、遠距離(DX)通信・衛星通信などの目的に用いられることが多い。理論上は円形が最も効率が高いが、量産や設置を容易にするため三角形(デルタ・ループ)、四角形(クワッド)のものが多く実用になっている。 八木・宇田アンテナと同様に一方向への指向性を持たせるためには、全長が放射器より少し長い閉じた導線からなる導波器、全長が放射器より少し長い閉じた導線からなる反射器を取り付けることにより、放射器から導波器の方向に向けての利得を大きくできる。このようなアンテナはループ八木アンテナまたはリングアンテナと呼ばれる。また、大型で円形にするのが難しい(あるいは小型だがコストを削減したい)ため、円の代わりに正方形とした輻射器、導波器、反射器から構成されているものは、立方体のような形状を持つためキュービカル・クワッド(cubical quad:CQ)と呼ばれる。両方に×型の支柱に四角形に導線が張られており、特徴的な外見を有する。テレビの小出力の中継所では他の送信所からの受信と周辺地域への送信の両方にリングアンテナを使う事例がある。導波器のみダイポールアンテナやパラスタックの形状ではなくキュービカルクワッドの形状にして破損しにくくしたテレビ受信用八木アンテナもある。
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