エリ級フリゲートとは? わかりやすく解説

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エリ級フリゲート

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/30 23:59 UTC 版)

エリ級フリゲート
F-464「カナリス」
基本情報
艦種 フリゲート
就役期間 1981年 - 現在
前級 カナリス級 (駆逐艦
; 旧米ギアリング級)
次級 イドラ級
要目
基準排水量 3,000トン
満載排水量 3,786トン
全長 130.5 m
最大幅 14.6 m
機関方式 COGOG方式
主機
推進器 可変ピッチ・プロペラ×2軸
出力
  • RM1C: 7.4 MW (9,900 hp)
  • TM3B: 38.4 MW (51,500 hp)
速力 30.0ノット
航続距離 4,700海里 (18kt巡航時)
乗員 176名
兵装
搭載機 AB-212 ASW 哨戒ヘリコプター×2機
C4ISTAR SEWACO-II戦術情報処理装置
レーダー
  • LW-08 対空捜索用
  • ZW-06 対水上捜索・航法用
  • WM-25 低空警戒/射撃指揮×1基
  • STIR-18 射撃指揮×1基
ソナー SQS-505 船底装備式
電子戦
対抗手段
  • スフィンクス電波探知装置
    ※一部艦ではCS-3701に換装
  • ラムセス電波探知妨害装置
    ※一部艦のみ
  • Mk.137 6連装デコイ発射機×4基
  • AN/SLQ-25魚雷デコイ装置
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エリ級フリゲート: φρεγάτες τύπου Έλλη, : Elli-class frigate)は、ギリシャ海軍の汎用フリゲートの艦級[1][2][3]

来歴

ギリシャ海軍は、1951年にグリーブス級駆逐艦2隻、1959年から1962年にかけてフレッチャー級駆逐艦6隻、1971年にアレン・M・サムナー級駆逐艦1隻、1972年から1977年にかけてギアリング級駆逐艦5隻を取得した。これらのアメリカ製駆逐艦は艦隊の主力を構成したが、いずれも第二次世界大戦世代の艦であり、近代化が求められていた。またアメリカ海軍への依存度を低める必要もあり、オランダが建造を進めていたコルテノール級フリゲートをもとに、所要の設計変更を施した艦の取得が決定された。これが本級である[2]

まず1980年・1981年に、オランダ海軍向けに建造されていたコルテノール級7・8番艦(F-812・813)を購入し、設計を変更して竣工・就役させた。当初は3番艦の建造も検討されていたが、これは断念され、かわって、オランダ海軍が退役させた艦が購入されることになった。まず1993年から1995年にかけて3隻、更に1997年から2003年にかけて5隻を購入し、順次に再就役させた[3]

設計

上記の経緯より、本級の設計は、基本的にコルテノール級とほぼ同様であるが、変更点としては下記のようなものがある[1][2][3]

またオランダ海軍の退役艦についてもオリジナルのエリ級にほぼ準じた改修を受けており、その一部として扱われることが多いが、76mm単装両用砲・ファランクスCIWSがそれぞれ1基のみである、などの差異がある。

なお就役後、デコイ発射機は、イギリス製のコーバスからアメリカ製のMk 36 SRBOCに換装された。また2003年には、6隻(F-450・451、F-459~462)を対象として電子装備の近代化が発注された[3]

またNATOシー・スパロー・ミサイル・システム(NSSMS)Mk.29 8連装ミサイル発射機をMk.48 VLSに換装する計画もあったが、これは断念された[3]

同型艦

# 艦名 由来 就役 脚注
F-450 エリ
Elli:Έλλη
エリの海戦 1981年10月10日 オリジナル。
F-451 リムノス
Limnos:Λήμνος
リムノスの海戦 1982年9月18日 オリジナル。
F-459 アドリアス
Adrias;Αδρίας
アドリア 1993年5月14日 旧蘭海軍 F808「カレンブルク」。
F-460 アイガイオーン
Aegeon: Αιγαίον
エーゲ海 1994年3月30日 旧蘭海軍 F810「バンケルト」。
F-461 ナヴァリノン
Navarinon;Ναυαρίνον
ナヴァリノの海戦 1995年3月1日 旧蘭海軍 F809「ヴァン・キンスベルケン」。
F-462 コンドゥリオティス
Kountouriotis;Κουντουριώτης
パブロ・コンドゥリオティス 1997年12月15日 旧蘭海軍 F807「コルテノール」。
F-463 ブブリナ
Bouboulina;Μπουμπουλίνα
ラスカリナ・ブブリ 2002年4月4日 旧蘭海軍 F826「ピーテル・フローリス」。
F-464 カナリス
Kanaris;Κανάρης
コンスタンティノス・カナリス 2002年11月29日 旧蘭海軍 F825「ヤン・ヴァン・ブラケル」。
F-465 テミストクレス
Themistoklis;Θεμιστοκλής
テミストクレス 2003年10月24日 旧蘭海軍 F823「フィリップス・ヴァン・アルモンド」。
F-466 ニケフォロス・フォカス
Nikiforos Fokas; Νικηφόρος Φωκάς
ニケフォロス2世フォカス 2004年11月19日 旧蘭海軍 F824「ブロイス・ヴァン・トレスロン」。

準同型艦

脚注

出典

  1. ^ a b Prezelin 1990.
  2. ^ a b c Gardiner 1996, pp. 160–162.
  3. ^ a b c d e Wertheim 2013, pp. 249–250.

参考文献

関連項目

外部リンク


エリ級フリゲート( ギリシャ海軍)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 04:18 UTC 版)

コルテノール級フリゲート」の記事における「エリ級フリゲート( ギリシャ海軍)」の解説

ギリシャ海軍が、オランダ海軍1976年発注分2隻を建造途中購入。76mm単装砲が2m延長されヘリコプター格納庫上に追加されている。CIWSが30mm ゴールキーパー×1基から20mm ファランクス×2基に変更されるなどの相違がある。

※この「エリ級フリゲート( ギリシャ海軍)」の解説は、「コルテノール級フリゲート」の解説の一部です。
「エリ級フリゲート( ギリシャ海軍)」を含む「コルテノール級フリゲート」の記事については、「コルテノール級フリゲート」の概要を参照ください。

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