しゅう酸
シュウ酸
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/03 10:09 UTC 版)
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シュウ酸 | |
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エタン二酸, ethanedioic acid(系統名) |
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識別情報 | |
JGlobalID |
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3D model (JSmol)
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ECHA InfoCard | 100.005.123 |
KEGG | |
日化辞番号
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CompTox Dashboard (EPA)
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特性 | |
化学式 | H2C2O4 C2H2O4 |
モル質量 | 90.03 g mol-1(無水和物) 126.07 g mol-1(二水和物) |
示性式 | (COOH)2 |
外観 | 無色結晶 |
密度 | 1.90 g cm-3 |
融点 | 189.5 ℃(無水和物)(分解) |
水への溶解度 | 10.2g / 100 cm3 (20 ℃) |
酸解離定数 pKa | 1.27, 4.27[1] |
構造 | |
分子の形 | Planar |
熱化学 | |
標準生成熱 ΔfH |
-821.7 kJ mol-1 |
標準燃焼熱 ΔcH |
-251.1 kJ mol-1 |
標準モルエントロピー S |
115.6 J mol-1K-1 |
標準定圧モル比熱, Cp |
117 J mol-1K-1 |
危険性 | |
NFPA 704(ファイア・ダイアモンド) | |
引火点 | 166 ℃ |
関連する物質 | |
関連するカルボン酸 | ギ酸; マロン酸 |
関連物質 | グリオキサール; グリオキシル酸; グリコール酸; グリコールアルデヒド; エチレングリコール |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
シュウ酸(シュウさん、蓚酸、英: oxalic acid)は、構造式 HOOC–COOH で表される、もっとも単純なジカルボン酸。二つのカルボキシ基を背中合わせに結合した分子である。IUPAC命名法ではエタン二酸(「二」はカタカナの「ニ」ではなく漢数字の「二」) (ethanedioic acid)。1776年、カール・ヴィルヘルム・シェーレがカタバミ(oxalis)から初めて単離したことから命名された。
植物に多く含まれ、和名の由来になっている。漢字の「蓚」はタデ科のスイバを意味し、また中国語でも植物由来の「草酸」と呼ぶ。
カルシウムイオンと強く結合する性質(劇性)があり、体内に入るとアシドーシスに傾いた血液中でカルシウムと結合して結石などを生じる。このため、日本においては毒物及び劇物取締法によって劇物(毒物ではない)に指定されている。
還元性があるため、滴定によく使われる。また、染料原料や漂白剤としても用いられる。
製法
工業的には、木片をアルカリ処理したのち、抽出することで得られる[2]。実験的には、ギ酸ナトリウムを加熱分解して生成するシュウ酸ナトリウムを、水酸化カルシウムによってシュウ酸カルシウムとして単離し、これを硫酸で分解することで得られる[2]。
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シュウ酸イオン シュウ酸の第一段階解離により生成するシュウ酸水素イオン (hydrogenoxalate, HC2O−
4、H(COO)−
2) は1価の陰イオンであり、第二段階解離により生成するシュウ酸イオン (oxalate, C2O2−
4、(COO)2−
2) は2価の陰イオンである。シュウ酸イオンは平面型で炭素-炭素間は単結合、炭素-酸素間は共鳴し単結合および二重結合の中間的な性格を持つ。シュウ酸塩
シュウ酸イオンを含むイオン結晶である正塩、シュウ酸塩 (oxalate) と、シュウ酸水素イオンを含む酸性塩であるシュウ酸水素塩 (hydrogenoxalate) が存在する。正塩はアルカリ金属塩およびアンモニウム塩、アルミニウム塩および鉄(III)塩は水に可溶性であるが、アルカリ土類金属塩を始めとする多くのものが難溶性である。鉄(III)塩の水溶液は徐々に分解しシュウ酸鉄(II) FeC2O4 を析出し、銀塩は加熱により爆発的に分解する。
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