エステルの製造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/14 15:30 UTC 版)
酢酸のエステル類はインク、塗料、上塗の溶媒として使用される。酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸プロピルが一般的で、これらは対応するアルコールとの触媒反応によって合成される。 CH 3 COOH + HOR ⟷ CH 3 COO − R + H 2 O {\displaystyle {\ce {CH3COOH + HOR <-> CH3COO-R + H2O}}} (R はアルキル基を示す) しかしながら、酢酸エステルの製造法としてはアルデヒドを原料としたティシチェンコ反応による合成が主流となっており、これは原料となるアルデヒドがアルコールよりも安価なためである。また、エーテル類の酢酸エステルはニトロセルロース、アクリル塗料、ワニスの洗浄剤、木材用塗料の溶媒として使われる。まずグリコールのモノエーテルをエチレンオキシドやプロピレンオキシドとアルコールの反応で作り、これを酢酸でエステル化する。主なものはエチレングリコールモノエチルエーテル酢酸エステル (EEA)、エチレングリコールモノブチルエーテル酢酸エステル (EBA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル酢酸エステル (PMA) の3つである。この用途には全生産量の17 %が消費される。これらのエステルのうちいくつかは動物実験において生殖・発生毒性が示されており、例えばEEAではラットに対してEEAを経口投与した試験において受胎率の低下やオスの精子数の減少といった生殖毒性や、胎児の骨格奇形のような発生毒性などが確認されている。そのため、EEAはリスクフレーズにおいてR60/R61(生殖毒性、胎児毒性)が指定されている。
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